新しいビジネスはどのように生まれるのか? 新しい時代をつくるのは、いつだって「多様な価値観」と「自由な発想」。【ビジネス創出プログラム「Spark X」 現場の声】
「不便・不満・不利」から生まれる新ビジネス
――ここからは、実際に Spark Xにチャレンジした皆さんにも参加していただき、お話をお伺いしました。 皆さんはなぜ、Spark Xに挑戦したのですか?一歩を踏み出した理由を教えてください。 ■小野■ 新規事業をテーマにした社内研修を受けて関心をもったのがきっかけです。クレジットカードを保有するお客さまや加盟店の受電部署の管理者として、日々業務に取り組んでいますが、何か新しいことをやってみたくて。 ●佐藤● 私には子どもがいて、日頃から子どもにいろいろな体験をさせてあげたいと思っていますが、普段は仕事が忙しく、なかなかそのプランを作るのも大変です。こういった「不便・不満・不利」に着目して「親子で学べるお出かけ提案アプリ」の事業化を検討しました。もともとセンター業務が長く、普段の業務と違うことをやりたい気持ちが大きかったのももちろんありますが、こうした「不」に着目してアイデアが膨らんできたので、小野さんに声をかけさせていただきました。 ▼児山▼ 私の場合、これまでのキャリアは、他の金融機関を含めて法人営業が中心で、数字をずっと追いかける日々。ミッションが明確で分かりやすい業務で、やりがいも感じていましたが、このまま50歳を迎えてもいいのかと、今後のキャリアについて考えていました。2022年の初めは、コロナ禍のためテレワークが多くなり、近隣のお祭りも自粛となるなど、様々なコミュニケーション機会が失われていた環境でした。また、町内会や自治会においては、役員の成り手不足が深刻で、コロナ禍が明けたとしても、お祭りなどのイベントも再開できそうにないとの声を聞きました。住民の立場として、この「不」をどうにかして解消・改善できないかと思っていたところ、Spark Xと出会いました。自分だけで解決するには難しい課題ですが、MUFGという組織を活用すれば、何とかできるかもしれない。そんな思いで、「町内会・自治会役員の成り手不足という社会課題を解消し、年齢層を跨いだコミュニケーションの活性化をMUFGが支援する」、というテーマで応募しました。その後ピボットして、現在の「分譲マンションの第三者管理者サービス(マンション管理組合の理事会が担う業務を、MUFGが代行する)」の事業化検討に至っています。 ◆亀澤◆ 私は現在の業務の中で富裕層のお客さまからご相談されることが多く、それを既存の事業の中では解決が難しいと感じていました。既存の事業で解決ができないことそのものが私にとっての「不」でしたし、そんなお客さまの「不」を私がいかに解決できるか。それがSpark Xに挑戦しようと思った一番の理由ですね。またSpark Xは、研修で課題を深掘りするプロセスが本業での課題解決のそれと似ているのも参加した理由です。こうした背景から、前回は「中規模医療法人に特化したM&Aアドバイザー」のテーマで提案しました。
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