【ラグビー】新天地で4キロ増。チャーリー・ローレンス、ダイナボアーズに移って代表入り近づく?
おなかの前で手のひらを小さく揺らす。 たしなむ程度のサーフィンについて、チャーリー・ローレンスは「これくらいの波だったら、できます」とほほ笑む。新居は、神奈川県内の海からそう遠くないようだ。 本職のラグビーも充実させる。国内2チーム目で4季戦ったトヨタヴェルブリッツを昨季限りで退団し、今季から三菱重工相模原ダイナボアーズに移った。 「若いチームで皆、いい成績を残そうとハングリーに頑張っている。いい環境です」 ダイナボアーズは、加盟する国内リーグワンの発足2年目から1部に上がっている。旧トップリーグ時代に9度何4強入りのヴェルブリッツとは、異なる道を歩んできた。 シーズン本番で格上を倒すべく、猛練習に活路を見出す。グレン・ディレーニー ヘッドコーチのもと、他クラブよりも早くプレシーズンを始める。 昨季終了直前から移籍を考え始めていたローレンスは、覚悟のうえで入団していた。 「ダイナボアーズは頭を使って、仲間のためにハードワークをする印象です。この数年間、成長しているチームだと見ていたので、自分が何か貢献できることはないかと思いました。ダイナボアーズがどこよりもハードにトレーニングするのも知っていた。そこに向けた準備していました。ヴェルブリッツはプレシーズンの早い段階でグラウンド練習を増やしますが、ダイナボアーズのその時期はウェイトトレーニング、ワットバイク、走り込みを多くする。身体づくりに集中します。いま、私はヴェルブリッツ時代と比べて4キロ増です。それも全部、筋肉で! いい練習ができています」 身長171センチ、体重92キロの26歳。身体衝突の多いCTBの選手にあっては小柄も、防御に近づきながら球を動かすスキルや運動量が光る。 イギリス人の父とフィリピン人の母が香港に住む間に生まれ、5歳で出会ったラグビーに没頭すべく15歳でニュージーランドへ渡っている。初来日は2018年で、現コベルコ神戸スティーラーズで初めてフルタイムのプロ選手になった。 おかげで日本代表資格を持つ。 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ率いるいまのナショナルチームへも、候補合宿参加の形で絡んだ。キャンペーンのスコッドに入るまではあと一歩のよう。ジョーンズとのやり取りを明かす。 「エディーさんからも『(代表に)近い位置に来ている』と言われているので、引き続き努力するだけです。もう少し、体重を増やして欲しいと言われていて、いまそれが(ダイナボアーズで)できている。嬉しいところです」 チームの方針と自分の望みがマッチしているのだ。こうも頷く。 「ただ、いま集中するのはダイナボアーズでのこと。ここでいいスタートを切り、いいプレーをしたら…結果が、ついてくるかもしれない」 新たなシーズンの初戦は12月22日。本拠地の神奈川・相模原ギオンスタジアムへ今年度初昇格の浦安D-Rocksを迎える。 (文:向 風見也)