【南海トラフ】水深2650mの海底での調査作業 地震専門家らが進める「ゆっくりすべり(スロースリップ)」の研究 「『ゆっくりすべり』がなければ、能登半島地震は起きなかった」巨大地震の予測への挑戦に密着
課題は「ゆっくりすべり」観測網の拡大 「まだまだ四国沖や日向灘に関しては、全くわかっていない状況」
「ゆっくりすべり」の正体を“つかまえる”ことは、できるのか―。紀伊水道沖の観測点の設置から、まもなく半年。
海洋研究開発機構・荒木さんの元を訪ねると、リアルタイムの観測データが届いていました。一部は、すでに気象庁などに提供されています。 (荒木さん) 「紀伊水道沖では、『ゆっくりすべり』は発生していないと考えています。これまでのデータを見ていくと、異常な変動は起こっていません」
観測点は、今回設置した紀伊水道沖以外に、熊野灘にも3か所あります。南海トラフ巨大地震の震源域は広いため、今後は四国沖と日向灘にも観測網を広げる方針です。 (荒木さん) 「ようやく熊野灘・紀伊水道沖の地域に関しては、ある程度の監視ができるようになったと考えていますが、まだまだ四国沖や日向灘に関しては、『ゆっくりすべり』が起こっているのかどうか、全くわかっていない状況です。観測がなければ、地震の前に変動があるのか検知できないと思っているので、急いで観測装置を入れていきたいというのが、私の思いです」 (「ウェークアップ」2024年4月27日放送)
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