介護ニーズが多様化、旅行やコンサートに出かける人も
介護を必要とする人のニーズの多様化が進んでいる。これまでのように自宅と病院を往復するだけでなく、「観光地やロケ地を訪問したい」「コンサートや観劇に出かけたい」という、アクティブな要介護者が増えているという。 車いすの人が電車、バス、自家用車などで移動するのは困難が伴う。そのため、旅行やレジャーなどの利用を想定した介護タクシーのサービスも生まれている。 「おかかえ運転手」(本社・東京都渋谷区)が取り組む介護タクシー「現地行く蔵」では、2種免許とホームヘルパー2級の両方の資格を持つドライバーが、近所への買い物、映画や舞台鑑賞、遠方への里帰り、お墓参り、観光、行楽など、幅広い用途の移動に対応しているという。 「現地行く蔵」の対象は、 要介護認定、要支援認定を受けている人や、 障害者手帳を持つ人のほか、肢体不自由、内部障害、知的障害などの障害があり、公共交通機関の利用が困難な人。 11月11日は「介護の日」。日本の高齢化に伴い、要介護者は今後さらに増え続ける見通しだが、単なる療養目的の移動ではなく、こうしたサービスで個人的な楽しみのために出かける自由度が高まれば、要介護者の健康の増進にも寄与しそうだ。