肥満が交通事故の原因になる!? 居眠り運転や突然死リスクの裏にある病気
睡眠時無呼吸症候群の治療はどのようなものがある? 生活習慣の見直しも必要?
編集部:睡眠時無呼吸症候群の治療にはどのようなものがありますか? 池田先生: 軽症の場合はマウスピースでの治療、中等度以上であれば「CPAP治療」が選択されます。 これは、睡眠中に鼻マスクをつけて気道に空気を送り、気道の閉塞を防ぐ治療法で、一定の診断基準を満たしていれば保険が適用されます。並行して、生活習慣の見直しなども行なっていきます。 編集部:どのような生活習慣の見直しが必要ですか? 池田先生: 最も危険な因子は肥満なので、過体重の人は減量すること、肥満ではない人も、太らないように意識することが大事です。 そのためには食事量を適正にし、適度な運動習慣をつけるように指導します。また、酔っていると症状が悪化する傾向にありますので、飲酒量も気をつけていただきたいです。 編集部:痩せれば、睡眠時無呼吸症候群は治りますか? 池田先生: 完全に治るかどうかは個人差がありますが、肥満の人が痩せると喉の狭さが緩和されるので、かなり効果はあります。軽症であれば完治することもあります。 編集部:最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 池田先生: いびきは睡眠時無呼吸症候群に見られる特徴的な症状ですが「いびき=睡眠時無呼吸症候群」ではありません。 当クリニックでも、いびきで受診した人が10人いたとして、実際に検査をして睡眠時無呼吸症候群と診断されてCPAP治療となる人は1人か2人なので、過度に心配する必要はありません。 しかし、やはり放置しておくのは危険なので、いびきのある人や肥満の人、寝汗や倦怠感のある人などは、まずは一度、きちんと検査しておくことをお勧めします。
編集部まとめ
眠っている時の呼吸状態なので、ご自身で気付きづらいですが、知らずに放置していると事故や脳血管疾患・心疾患、突然死などのリスクもありますので、いびきを指摘されたことのある人や肥満の人、寝汗や起床時の頭痛などが気になる人は、ぜひ一度、専門機関に相談してみてはいかがでしょうか?
【この記事の監修医師】 池田 雄次 先生(ふらットクリニック稲毛) 千葉大学医学部を卒業後、国立千葉病院(現・国立病院機構千葉医療センター)、塩谷総合病院(現・国際医療福祉大学塩谷病院)、千葉大学医学部附属病院などで経験を積み、2003年、今の「ふらットクリニック稲毛」の前身である「医療法人以仁会小中台クリニック」院長となる。2022年より、院名「ふらットクリニック稲毛」の院長となる。院名は、医療者と患者さんが平らな関係(フラットな関係)であり、ふらっと立ち寄っていただける医療機関を目指し、名付けられている。
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