【動画】大阪環状線に新型車両「323系」投入へ ── 国鉄時代の車両すべて置き換え
JR西日本は8日、大阪市内を走る「大阪環状線」に新しい車両「323系」を投入することを発表した。同日午後に同社で開かれた会見では、この車両を2016年度から2018年度までに順次投入し、国鉄時代に製造された103系・201系の通勤形電車をすべて置き換える。
投入車両は168両、103系などすべて入れ替え
同社では、昨年から「大阪環状線改造プロジェクト」をスタートさせており「発車メロディ」の導入や駅トイレやホームの美装。高架下に商業施設をオープンさせるなど、イメージアップの向上をはかっている。中でも「発車メロディ」は、今年5月に大阪駅で、故・やしきたかじんさんの代表曲「やっぱ好きやねん」を導入するなど話題を呼んでいる。 同日午後に行われた会見で、プロジェクトマネジャーの長谷川一明近畿統括本部長が同車両の基本コンセプトを詳しく発表した。大阪環状線では1日約500本の電車が運行されており、国鉄時代に製造されたオレンジ色の車両103系や201系がおよそ6割を占めているという。 そこで、先進的なサービス提供と安全性、安定性、お客様満足度の向上を進められるよう、人に優しい車内空間・安全安心の向上などを開発コンセプトにおき、車両導入が決定した。投入車両数は168両(8両編成×21本)となり、103系などの車両は、すべてこの車両と入れ替えとなる。
安全向上をはかり「EB―N形装置」導入
この車両の最高時速は100キロ。3枚扉のロングシートを採用している。先進的かつ安全対策を施したな様々な装置も特徴的だ。同社の車両としては初めてとなる「EB―N形装置」を採用。これは万が一、運転士が意識を失うなどの事態が発生した場合に自動的に列車を停止させる装置だという。 このほか戸挟み安全対策として、さまれたものを引き抜こうとしたときに戸先ゴム内の圧力変動を検地し、音声警報や表示灯で車掌・運転士が戸挟み状態を認識させる装置もあるという。 また、外観デザインは安全面を重視して、ドア先や上部に黄色のラインを配置。衝突時の安全性向上など、同社が実施してきた安全対策についても織り込んでいる。このほか。機器の信頼性向上をはかるため、電子機器や保安装置など主要な機器を二重系化し、1つが故障しても運転継続できるようにする。例えば、速度計が表示できなくても、別で表示できたりする。