「愛犬を安楽死させて一緒に埋葬して」アラン・ドロンの遺言に批判殺到 飼い主の死後、ペットはどうなる?
●遺族がペットの面倒をみることが難しい場合はどうなる?
――もしも遺族がペットの面倒を見ることが困難な場合、ペットはどうなるのでしょうか。 亡くなった飼い主の相続人が、誰もペットの面倒をみることが出来ない場合は、専門業者に引き取ってもらう等して、処分せざるを得ないでしょう。 先ほど紹介したように、ペットが飼えないからと言って外へ逃がしたり、殺してしまうことは、動物愛護管理法で固く禁止されている犯罪行為ですから、絶対にやめましょう。 なお他の遺産も一切いらないという場合、相続放棄も選択肢になりますが、相続放棄をしたとしても、他の相続人等に引き渡すまでの間は、「自己の財産におけるのと同一の注意をもって」遺産を保存する義務があります(民法940条)。 少なくとも次の引き取り手に委ねるまでの間は、ペットをきちんと世話してあげる義務があると考えられますので、注意してください。 現在ペットを飼われている方で、「自分が亡くなったら誰にペットの世話をしてもらおうか…」とお悩みの場合は、元気なうちに、相続人である親族とよく相談しておくか、自分の死後、誰にペットの面倒をみてもらいたいか、遺言書を作って明記しておくことをお勧めします。相続に詳しい弁護士に相談してみてください。
【取材協力弁護士】 大野貴央(おおの・たかお)弁護士 兵庫県神戸市生まれ。2014年3月信州大学経済学部卒業。2017年3月、信州大学法科大学院修了。同年9月、司法試験合格。2018年12月弁護士登録(愛知県弁護士会)、弁護士法人名古屋総合法律事務所に入所。相続、離婚、交通事故案件を中心に民事事件に多数取り組む。 事務所名 :弁護士法人名古屋総合法律事務所 事務所URL:https://nagoyasogo.jp/