「もう復路優勝しかない」箱根駅伝“失意の往路4位”から駒澤大が青学大の完全優勝を阻止できたわけ…「ただでは転ばない」決意で得た“収穫”
「ただでは転ばない」
運営管理車に乗る藤田監督は小山に、「復路優勝するぞ」というカツを何度も入れた。小山は、その期待に応える素晴らしい走りを見せた。1時間8分54秒で区間2位ながら、想定以上のタイムを出して、復路優勝を勝ち取ったのだ。 青学大の往路復路の完全優勝を阻止し、「ただでは転ばない」という藤田監督の言葉を選手たちが体現した。その瞬間、藤田監督にこみ上げるものがあったという。
3つの収穫
「青学さんの山の強さ、4年生の強さを目の当たりにしましたが、自分たちとしては、よくここまで盛り返してきたという気持ちが強かったです。夏前、チームは本当に厳しい状況でしたが、夏に篠原がいてくれたことで徐々にチームらしくなっていった。 出雲は最後負けましたけど、あそこで戦えるという手応えを掴んだことが全日本に繋がり、そこで山川が青学大を抜いて2位になったことが箱根に繋がった。すべてが繋がってここまでチームが成長できたのが、ひとつ大きな収穫でした」 藤田監督2年目の今季は、強い4年生が抜けた後のチーム再建がテーマだった。そんな中で結果的に三大駅伝はすべて2位だったが、国学院大や青学大と真っ向勝負ができた経験は大きく、チームも個々の選手もそれぞれ成長することができた。 「今回の往路は、1年生の桑田(駿介)と谷中(晴)を入れて耐える感じになりましたが、この2人は将来の駒澤のエースになる選手。箱根で厳しい区間を走り、谷中が3区区間6位、桑田が4区4位と結果を出したのは大きかったです。また、復路で安原(海晴・8区4位)、村上(響・9区5位)、小山(10区2位)の2年生が3人走って結果を出したことも、来季を見据える意味で非常に大きな収穫だったと思います」 1、2年生に経験を踏ませ、彼らが結果で応えたのは、駒澤大の育成強化が機能している証左でもある。来季、彼らの上に立つ佐藤、山川、伊藤の三羽烏がチームを引っ張る形になれば、今季以上に高いレベルでの分厚い選手層が実現するだろう。
【関連記事】
- 【写真】「これが怪物…!」復活のスーパーエース、駒澤大・佐藤圭汰が高校後輩の中央大・岡田開成を抜き去る瞬間から、駒澤大の復路全メンバーの激走を独自写真で見る
- 【話題】「陸上人生で初…なんだコレ」青学大・原晋監督“じつは異常事態だった”3区、失速の原因は? それでも箱根駅伝で負けない異様さ…TV解説者の“発言”
- 【怪物】「ピクニック気分? いや~、なかった!」青学大・原晋監督が戦慄…箱根駅伝で“異次元の区間新”駒大・佐藤圭汰の衝撃「(状態は)80%ぐらいです」
- 【誤算】「青学大は上りが強い…」「全日本では凌げたが箱根駅伝は…」往路4位・駒澤大が青学大との差を感じた区間とは? 主力を襲った「誤算」と「異変」
- 【明暗】箱根駅伝「史上最速の2区」で分かれた“エースたちの明暗” 青学大・黒田は晴れ晴れ、国学院大・平林はうつむき…駒大・篠原は「適性には勝てない」