ハリルJを変化させたFW大迫の得点感覚。サウジ戦の切り札となれるのか?
長くワントップを務めてきた岡崎が、6月4日のブルガリア代表との国際親善試合で決めたゴールを最後に、代表通算50ゴールに王手をかけたまま足踏みが続いている。新シーズンが幕を開けると、プレミアリーグ王者レスター・シティーでも居場所を失いかけた時期もあった。 9月に幕を開けたワールドカップ・アジア最終予選で浅野拓磨(シュツットガルト)、そして本田をワントップで起用しているハリルホジッチ監督の采配は、それだけ岡崎の絶対的な存在感が揺らいだことを物語っている。だからこそ、岡崎にはない前線でのキープ力やチャンスメーク能力、そして決定力を含めたポテンシャルを全開にしつつある大迫の存在が、指揮官を喜ばせないはずがない。 「このポジション(ワントップ)に、素晴らしい候補が見つかったと思う。いまのところ彼はチームに多くをもたらしてくれる感じがする」 中3日の15日にはグループBの首位を走るサウジアラビア代表を埼玉スタジアムに迎える、アジア最終予選第5戦が待つ。勝ち点3差の3位につける日本にとって、勝てば2位のオーストラリア代表を巻き込んだ大混戦のまま後半戦に臨め、もし負ければロシアへと続く道に深い霧が立ち込めかねない大一番へ。 「いい流れだけど、次が大事なので。次また点を取れるように。まだまだこれからなので」 ハリルホジッチ監督の言葉を借りれば、サウジアラビア戦のワントップでの先発を確定させた大迫は闘志を高めるかのように、短い言葉を残して帰りのバスへと乗り込んでいった。 (文責・藤江直人/スポーツライター)