災害発生時に20キロ歩き通せる? 大経大が防災ウォーク大会
時速4キロで5時間、20キロを歩き通せますか?。大阪経済大学(大阪市東淀川区)はこのほど、災害発生時に自力で避難できる生涯健脚力を磨く防災ウォーク大会「OSAKA5GO!WALK」を開催した。ゴールした参加者に話を聞くと、歩き慣れないことで、どれだけ体に負担があるかを身をもって知る機会となったようだ。 生涯健脚でマイ防災力アップを 大経大教授「いざというときの自信に」
歩き慣れたハイカーも靴ずれができた
この防災ウォークは5キロ、10キロ、20キロの3コースに754人が参加。同大学をスタート・ゴール地点として最長20キロのコースに150人が挑んだ。 重い荷物を背負い、山道を上り下りするハイカーたち。平地の20キロウォークなら軽くクリアできるかといえば必ずしもそうとは言い切れない。60代男性ハイカーは「体力には自信があるつもりだが、災害発生時を想定して本当に平地を20キロ歩き切れるか試すために参加した」と話す。 男性は軽い靴ずれができたのは、やや想定外だったそうだ。「山登りでは厚手の靴下と登山靴で足元を固めるが、きょうは薄い靴下とウォーキングシューズだったからかもしれない。靴ずれができたけど、災害発生時にも対応できる手応えはまずまず感じました」と話していた。 ハイカーが靴ずれを起こすくらいだから、普段からあまり運動しない人たちにとっては、20キロウォークはやはりたやすいことではなかったようだ。 「20キロも歩くのは初めて。スタート直後は競い合うように速いスピードで歩きだしてしまいました。災害時にはハイペースでは歩き通せないと、途中でベースダウンしたのがよかった」(40代女性) 「日ごろの運動は犬の散歩ぐらい。足腰が痛くなり、途中から歩き方を変えました。力を抜いて、だらだら歩いたらなんとかゴールできまして。犬の散歩の時間をもう少し長くしようかしら」(別の40代女性)
屈強なアスリートも「黙々20キロ」は苦手?
大阪経済大学の学生もチャレンジしたが、ゴールインした運動部選手からは意外な反応が返ってきた。 「最初の関門通過のころからきつかった。20キロがとても遠く感じられました」(サッカー部)、「歩いても歩いても、ゴールに到達できない。とくにまっすぐ続く河川敷がつらかった。アメフトは瞬発力勝負。持久力はちょっと苦手なんです」(アメリカンフットボール部)と話す。 もっと強くなり、試合に勝つ。明確な目標を掲げて練習場で取り組む厳しいトレーニングと比べて、まちなかを歩くウォーキングはモチベーションを持続しにくいのだろうか。 それでもアスリートとして、防災とリンクさせて気付いたこともある。「大勢の避難者で道路が混雑する場合、体力的に劣るお年寄りは歩きにくいかもしれない。困っているお年寄りを見かけたら、元気な僕らがお手伝いします」(サッカー部)と、頼もしいかぎりだ。