「ワンランク上になれた」プロ1年目のオランダで正守護神を張った20歳・長田澪が明かす“進化の舞台裏”。「柔道をしていたのが良かった」【独占取材】
「お兄ちゃんが『シュートを撃ちたいからキーパーをやってよ』と」
昨シーズンの32節、スパルタ対フォレンダム戦直後のインタビュールームで斉藤光毅と三戸舜介(ともにスパルタ)を待っていると、フォレンダムのGK長田澪(ドイツ名はミオ・バックハウス)が「ミトシュン、もう来ましたか?」と尋ねてきた。 【画像】SNSフォロワー数が1670万超! スイス女子代表のブロンド美女、アリシャ・レーマンが魅せる厳選ショット集をお届け! これまでもオランダリーグで活躍する上田綺世(フェイエノールト)、菅原由勢(AZ)、佐野航大(NEC)と試合後、ユニホームを交換してきた長田だったが、三戸のことをスタジアムで探すときには、古くからの友人のことを語るような雰囲気を醸し出していた。 「ミトシュンはお兄ちゃんとずっとJFAアカデミーで一緒だったんで、その代のアカデミー生とは一緒に食事に行ったり、昔からよくしてもらっていたんです。(三戸は)すごく優しい人。先輩ですけれど、俺のなかでは、2つ上のお兄ちゃんの代まではほとんどタメなんです(笑)」 “お兄ちゃん”とはU-16日本代表で3試合に出場した経験を持つDF長田悠里(ドイツ名はユウリ・バックハウス)のこと。森山佳郎監督(現ベガルタ仙台監督)率いる当時の“ゴリ・ジャパン”にはパリ五輪代表に選出されたGK野澤大志ブランドン、DF半田陸、MF三戸らに加えてバックアップメンバーのDF鈴木海音がいた。その後、悠里も弟のいるブレーメンのU-19やセカンドチームでプレーし、現在はブレーメン近郊のアマチュアクラブでプレーしている。 「親がお兄ちゃんと俺を『双子のように育てた』と言っていました。年上・年下関係なく、2人とも同じような扱いを受けてきたので、お兄ちゃんは年上の兄貴ではなく、タメの大親友みたいな感じ。3か月会ってなくても、『数分前まで一緒にいたよね』って思えるんです。お兄ちゃんといるとなんか嬉しいんですよ。大好きなんです」 長田がGKになったのも悠里の影響が大きい。 「お兄ちゃんが最初にサッカーを始めた。家に小さな庭があって、俺が小1か小2のころ、よくある話で、お兄ちゃんが『シュートを撃ちたいからキーパーをやってよ』と言った」 腕白な兄貴が気の弱い弟に「お前、キーパーをやって、俺のシュートを止めてみろ」というのも、よくある話のようだが? 「違います、違います。ちゃんと優しく『(懇願するように)やってくれる?』『いいよ!』というとても平和なやり取りでした(笑)。俺もちょうどキーパーをやりたかったんで。ちょうど川島永嗣(現ジュビロ磐田)さんが活躍している時期だったんで、『キーパーも面白そうだな』とGKをやるようになりました」
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