避難場所や要介護の家族など、ケース別「災害時、こんなときどうする?」
(避難場所に迷う)
ちょうど正月に帰省している時に能登の震災が起きました。避難所に逃げろという放送があり、ひとまず家から出ましたが、避難所は自宅よりも海に近いところだったので、避難所には行きませんでした。今回はたまたま家族みんな一緒にいる時に地震が起きたので、その場で相談して行動を共にできましたが、津波の危険などがある場合どうするかなど、状況に応じて決めておけばよかったと思いました。 ↓
◎ケース別に避難計画を決めておく。
自宅から最寄りの避難所だけを把握しておけばいいわけではなく、住んでいる地域や自宅のリスクをチェックし、2番目、3番目に近い避難所に行くことも念頭に、家族の避難ルールを取り決める。こんな時は◯◯小学校、こんな時は公民館、というふうに明確に判断できるような基準を作ろう。そして、各避難所までの経路や、所要時間も実際に歩いて確認しておく。 「コロナ禍以降、避難所が過密になるのを避けるための分散避難がスタンダードになっています。最寄りの避難所に行くのが最優先とはかぎらず、在宅、知人や親戚の家、宿泊施設、車中泊などケースによって避難の選択肢がいろいろとあることをふまえて計画を立てましょう」
(要介護の家族)
自宅で認知症の祖母を介護していた時期に東日本大震災が発生しました。災害時にどうするかを決めていなかったので、祖母のケアが大変でした。なんでも口に入れてしまうし、徘徊もあるので夜間などは危険で目が離せませんでした。また、祖母のお世話のためにバケツなどの容器をすべて使っていたので、水をもらう際に持っていける容器がなく、そうした日用品の予備を用意していなかったことを後悔しました。 ↓
◎介護分担をルール化しておく。
「認知症や要介護の方の避難生活は、社会全体の大きな課題です。福祉避難所に入ることができればいいのですが、在宅の場合も家族だけで抱え込まずに、訪問介護や親戚縁者を頼りながらローテーションを組んで介護にあたりましょう」 訪問介護や訪問看護のサービスを利用しているなら、災害時にも訪問を続けてくれるのかといった対応について聞いておくこと。同じ地域で暮らす介護者も被災者になることがあるので、計画どおりにいかないこともあるはずだが、せめて事業所の方針、非常時の体制などは平時に確認しておこう。また、防災用品と介護用品は全く別物。防災用品は家族の人数分必ず用意し、介護用品の予備も多めに準備しておくことが大切だ。