ソフトバンクの独走Vは“金銭野球”だったのか…「総スカン」小久保監督がヘッドの意見を聞いた「5番・近藤」と育成から支配下登録した8人の意義
山川は6月に打率,182、0本と大スランプ。5月22日の楽天戦の12号から7月2日の西武戦の13号まで30試合本塁打がなかった。それでも小久保監督は動かなかった。いや動く必要がなかった。5番の近藤が6月に打率.413、7本塁打、23打点と打ちまくってチーム成績も17勝5敗1分けと大きく勝ち越した。まったく影響がなかったのである。 山川は、「変に小細工をしてゲッツーで終わるより、思い切って振って三振した方が、後ろの近藤さんがなんとかしてくれる」と考えて打撃が小さくまとまることはなかったという。結果的に、山川は32本塁打、94打点で現在リーグ2冠である。 FAでの山川の獲得は物議を醸した。 西武時代に不起訴にはなったとはいえ、強制性交の疑いで書類送検され、当然のようにファンのバッシングを受けた。本来は明るい性格だが、春先までは池田氏が取材に訪れた際にも「目を合わせようとはしなかった」という。 チームに溶け込ませたのは、柳田や栗原ら性格が明るいメンバーだ。 当初、山川は、本塁打のあとの「どすこいポーズ」は封印するつもりだった。 それを彼らが「やろう、やろう」と背中を押して、ベンチ前で一緒にポーズをとった。 山川は、チームメイト、そして最終的には温かく迎え入れてくれたホークスファンへ何度も感謝の言葉を繰り返したという。 池田氏はソフトバンクのもうひとつの優勝の理由に「チームモチベ―ション」をあげた。 「ソフトバンクは4軍制を敷いている。支配下登録されていない育成選手が多い。その中で小久保監督は、3月の“育成三銃士”から始まって今季8人も育成から支配下登録をした。そのことで“頑張ればチャンスをもらえるんだ”という一体感が、1軍から4軍までソフトバンクという組織全体に生まれた。2軍監督を経験した小久保監督だからこそ感じたものだったと思う」 小久保監督は、フロントに直訴してキャンプで存在感を示した緒方理貢、川村友斗の外野手2人と仲田慶介内野手の“育成三銃士”を開幕前に支配下登録した。6月には昨年オフに戦力外を通告して育成で契約をし直した2019年のドラフト1位の佐藤直樹を支配下に戻し、登録期限ギリギリの7月には、中村亮太、三浦瑞樹、前田純の3投手と石塚綜一郎捕手の4人を支配下登録した。 また池田氏は「2位以下にゲーム差をつけ、チームがたるみかねないところをやる気にあふれた若手の積極起用でチームに刺激を与え続けた」という点にも注目した。ドラフト3位ルーキーの廣瀨隆太を5月に昇格させ〝ギータ2世〟の笹川吉康にもチャンスを与えた。
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