愛子さま、単独地方公務デビューに見えた「高好感度の秘訣」 佐賀県の訪問先を追跡取材、接した人たちの胸に残る印象と言葉
後ろで見守っていた谷口祐次郎社長は、年の近い二人が並んで紙をすきながら、きゃっきゃと笑っている姿をほほえましく感じ、若い田中さんを案内役にしてよかったと思った。社長が最後に「来てくださったおかげで、この地区もすごく活性化になります」と言うと、愛子さまは「そう言っていただくのが一番嬉しいです。それが私の一番の願いです」と話したという。 ▽笑顔を引き出してくれる 国民スポーツ大会のロイヤルボックスで、愛子さまに柔道競技を解説したのは、全日本柔道連盟の西田孝宏副会長だ。30分ほどの間、愛子さまにずっと話しかけられた。愛子さまはバッグから眼鏡を取り出して「実は私、よく見えないんです」と話した。「あまり眼鏡姿はお見かけしませんが」と言うと「普段はしないようにしているんです」と答えた。 西田副会長は後日、写真や映像を見た多くの知人に「すごく素敵な雰囲気で話してましたね」と声を掛けられた。そうだったかな、と思って写真を見ると、ふたりで目を合わせて笑い合っている写真がたくさんあって、「自分はこんなに笑顔で話せていたのか」とびっくりしたという。「振り返ると自分の笑顔も引き出されていたかのようです。不自然な背伸びのようなものが何もなくて、本当に自然体の方でした」 ▽心からの関心を示してくれる
佐賀城本丸歴史館に同行した佐賀県の橋口泰史文化・観光局長は、愛子さまが、自分が知りたいこと、関心があることを正直に話してくれるのが嬉しかった。「佐賀の偉人についても、知っていただきたいと思うことに、ご自分から共通の話題を持ってきてくださる。相手に対する『興味がありますよ』というメッセージが伝わります。ビジネスじゃなくて、心からコミュニケーションしたいというお気持ちを感じられて、とても嬉しい。説明する側としても気持ちの入り方が全然違ってきます」 佐賀県赤十字血液センターの鷹野誠所長、佐賀災害支援プラットフォームの山田健一郎代表理事も、愛子さまの示す「関心の深さ」に感じ入った。若者の献血が思うように伸びないという課題の説明を受け、採血室を見学した際、矢継ぎ早の質問があった。「中高年の方が献血の中核になっているのは、何か献血についての教育を受けておられるからなのですか」「学生献血推進協議会ではどのような活動をしておられますか」「献血の最初のきっかけは何ですか」