【大学野球】明大が立大から勝ち点獲得 リーグ戦初先発初勝利の毛利海大は監督に「行かせてください」
◆東京六大学春季リーグ戦第5週第3日▽明大7―1立大(14日・神宮) 明大が立大に11安打7得点で大勝し、2勝1敗として勝ち点2を挙げた。リーグ戦初先発となった最速147キロ左腕・毛利海大(かいと、3年=福岡大大濠)が5回を3安打1失点でリーグ戦初勝利をマークした。1点リードの5回2死二塁では4番の横山陽樹(4年=作新学院)が、リーグ戦初本塁打となる左越え2ランを放つ活躍を見せた。 グラウンドに毛利海大が戻ってくると、スタンドが沸いた。治療直後、二塁打を打たれたが、後続の立大・佐藤駿(2年=立教新座)を空振り三振に仕留め、マウンドを後にした。「ちょっと変化球が高かった分、行かれたなと思ったので、もう1回修正して、最後のバッターを低めの変化球で三振をとれたので、しっかり修正できた」と冷静に振り返った。 5回2死。あと1死で勝利投手の権利を得るところで、左脚をつった。一度ベンチに下がり、治療中に田中武宏監督(63)に交代を打診された。「あと1人ってところで足つっちゃった。だらしないので本当は代えようとしたんですけど、泣いて頼むもんですから」と指揮官は冗談を飛ばしたが、「この回は投げきります、行かせてください」と真剣に続投を志願したのは本当だ。 捕手・小島大河=東海大相模=とは3年生バッテリー。「決め球はなんでも使えるな、バッターを見て決めていこう」「2巡目から真っ直ぐが合ってくるから、変化球を混ぜて、ゴロでも三振でも取っていこう」とコミュニケーションを密に取り、順調に積み重ねた14個のアウト。あと1つのアウトを自力で奪い、初勝利をがっちりつかんだ。 田中監督は試合後に「リーグ戦が始まる前から、3戦目は1戦目の投手を使うよりも、3人目というプランは常々あった。1戦目が負けた段階で2戦目勝って、3戦目は毛利と決めていた」と明かした。「勝つだけだと思うので、与えられたポジションをしっかりまっとうしていきたいなと思います」と先を見据えた左腕。明大の厚い投手陣を、勢いに乗った毛利が支えていく。(臼井 恭香)
報知新聞社