ドイツの新型鉄道車両向け、三菱電機が空調装置1350台を受注できた理由
三菱電機はドイツの都市鉄道(Sバーン)の新型車両(イメージ)向けに自然冷媒であるR290(プロパン)を使用した空調装置1350台を受注した。受注金額は非公表。2025―31年度にかけて納入する。自然由来の冷媒のため、鉄道車両用の空調装置として広く使われている既存の冷媒より、地球温暖化係数(GWP)を大幅に引き下げることが可能となる。 【写真】三菱電機が空調装置を受注した「新型車両」 三菱電機のイタリアの子会社が独公共事業体とドイツ鉄道の子会社から受注した。ミュンヘン近郊で増加が予想される乗客数に対応するために導入する新型車両へ納入する。内訳は13両90編成で、運転台向け180台、客車向け1170台。 鉄道車両用の空調装置として使われる代替フロンはGWPが高く、環境負荷が高いことが課題だった。一方で、R290は自然界に存在するためGWPは低いものの、可燃性へ対処するため、設計・設置時に安全対策が重要になる。三菱電機では継ぎ目のない配管を使用するなど、客室内の安全性に配慮などした設計をすることで、受注につなげることができた。