リフレッシュ&デトックス! 自分で摘んだ植物で「野草茶」を作ってみませんか?
ハーブ感覚で生葉でもいける!
日本の野草の中には西洋のハーブに似た芳香を持つ植物もある。カキドオシが代表的な野草だ。乾燥させた葉もお茶として知られるが、やや重めの味わいで評価は分かれる。 ところが、生の葉に熱湯を注ぐとまったく違う個性を発揮する。色は淡いグリーンで、ミントに似た香気がある。まさに日本のハーブティーだ。 カキドオシは全草利用できるが、味がよく出るのは葉。春に咲く薄紫色の花も利用できる。 温かいままで飲んでもよいが、氷できりっと冷やすことをおすすめ。雑味がマスキングされ、良い香りが強く引き立つ。
野草茶の王様「クロモジ」は樹1本ごとに風味が違う?
お茶として楽しめる植物といえば、忘れてはならないのがクロモジだ。クスノキ科の落葉低木で、葉や枝に爽やかな香りがある。高級和菓子に添える楊枝はこのクロモジの木を削ったもの。噛むと口中に爽やかな香りが広がることから、江戸時代には今の歯ブラシのようにも使われた。葉や枝を刻んだものも昔から健康茶として人気で、近年はアロマオイルも注目されている。 緑茶の味には産地ごとに特徴があることが知られている。ならばクロモジ茶の風味にも地域性があると考えられないだろうか。そもそもクロモジには類似種や種内変種が多い。外見に差があるなら香りも異なる可能性はある。 このことに関する興味深い論文がある。森林総合研究所の楠本倫久さんらが’22年に発表したもので、クロモジの芳香成分は同じ地域の同種の群落でも樹1本ずつに違いがある、つまり"十本十色"であることがわかったという。 その違いはお茶にした場合もわかるのか? 飲み比べてみたいものだ。 ◆クイズ! 撮影中の湯飲みにとまったこの蝶の名前は? ↓ ↓ ↓ 答えは…… 名はコミスジ。黒褐色の翅に白い線が3本走っているタテハチョウで、滑空するような独特な飛び方が特徴だ。 近縁種のミスジチョウとよく似ているが、3本の白い線のうち一番前の線の先が1か所切れているのがコミスジ、つながっているのがミスジチョウ。 ※構成/鹿熊 勤 撮影/藤田修平 (BE-PAL 2024年10月号より)
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