社会人の4割が経験する「燃え尽き」を防ぐ、仕事とプライベートの「境界線」
健全なワークライフバランスと全体的なウェルビーイングを維持するためには、仕事とプライベートのあいだに境界線を引くことが不可欠だ。勤務時間に制限を設けることで、生産性とメンタルヘルスを保つための充電時間を確保できる。 仕事上の要求に押しつぶされそうに感じていると、仕事に対する不満が生じ、仕事の楽しみが減少してしまう可能性もある。人材サービス大手のランスタッドが発表した報告書『Employer Brand Research Global Report』では、求職者の65%が給与や福利厚生よりもワークライフバランスを重視していることが示されている。つまり、労働力を確保するのに必要なのは、もはやお金だけではないのだ。 燃え尽き症候群を回避し、仕事への情熱を維持するために必要な、仕事とプライベートの境界線を設定する方法を紹介しよう。 ■自分なりのルーティンを持つ 自分の境界線が尊重され、長期にわたって維持されるようにするには、一貫性がカギとなる。自分にとってのルーティンを設定することが、このプロセスの第一段階だ。起床時間、始業時間、終業時間をあらかじめ決めておき、それを守るようにしよう。カレンダーやアラーム、リマインダーなどのツールを使って、仕事を中断したり、ギアを切り替えたりする時間を通知するようにすれば、こうしたルーティンを一貫して守れるようになる。 慣れてきたら、集中したい時間帯、連絡を取りたい時間帯、その時間帯に引き受けてもいい仕事など、ルーティンをさらに細かく設定できるようになる。これらの境界線を守る決意をしたら、その気持ちを忘れないよう、どこかに書き留めておくのもよいだろう。 ルーティンを設定し、自分自身に一貫性を持たせれば、仕事の流れも自ずとそれに従うようになる。 ■プロとして「ノー」と言うことを学ぶ 多くの人は、新しい仕事を始めると、その役割や会社について学び、チームプレーヤーとして認められるために、あらゆる機会に「イエス」と言いたくなるものだ。しかし、時間が経つにつれ、自分の枠を超えた要求や仕事には「ノー」と言う必要が出てくる。 しかし、ここで重要なのは、プロフェッショナルとしての意識を忘れず、丁寧な言葉遣いを心がけながら、素早くなぜ「ノー」なのかという理由を伝えることだ。混乱を招きかねない回りくどい言い方は避けよう。たとえば、「私に声をかけてくれてありがとうございます。ただ、今はこのプロジェクトに取り掛かる余裕がありません」などと伝えよう。なぜ余裕がないのか、という部分についても簡単に説明を加えてもよいが、あまり長くならないようにしよう。 断ることが苦手な人は、あまり重要でない要求を断ることから始めて、徐々に大きな要求にも「ノー」と言うだけの自信をつけていこう。