“熟年離婚”過去最高に──「モラハラ我慢しなくても」「介護想像できない」 コロナも影響? もめ事の中身【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
20年以上連れ添った夫婦の「熟年離婚」。2022年の割合は過去最高の23.5%でした。背景には女性の社会進出や高齢化などが挙げられていますが、新型コロナウイルスの影響も指摘されています。トラブルや孤独感を避けるために注意すべき点もあります。 そこで今回の#みんなのギモンでは、「“熟年離婚”の割合 過去最高?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。 ●コロナの影響で“熟年離婚”増加? ●“熟年離婚”注意すべき事は
■熟年離婚、年間で約4万組と高止まり
猪子華・日本テレビ社会部記者 「日本では計算上、3組に1組が離婚していることになるんですが、今、いわゆる熟年離婚の割合が増えているといいます」 「厚生労働省の人口動態調査による離婚件数の推移を見ると、2002年に約29万件あったのをピークに減少傾向にあります。確定値の最新である2022年は17万9099件と、4割ほど減っています」 「2022年の件数を同居期間別、つまり夫婦が一緒に暮らした年数別に分けると、同居期間5年未満での離婚が5万2606件で最も多いのですが、注目は20年以上連れ添った夫婦の離婚です。一般的に熟年離婚と呼ばれるもので、3万8991件ありました」 「この熟年離婚の件数は1998年以降、1年間に4万組前後と高止まりしています」
■割合は増加傾向…2022年は23%
猪子記者 「熟年離婚の割合の推移を見てみると、同居期間が分かっていないケースを除くと、2008年以降増え続けています。2022年は全体の約23.5%で、統計を取り始めた1947年以降で過去最高値となりました」 森圭介アナウンサー 「少子化などの影響で結婚の数が減っていますから、離婚の数が減っていくのは分かります。熟年離婚の数が減らずに離婚の数が減っているから、相対的に熟年離婚の割合が増えているという計算なんですね」
■子育てが落ち着いた女性からの相談増
猪子記者 「新型コロナウイルスの影響があるということですが、そもそもの背景について、離婚問題に詳しいフェリーチェ法律事務所の後藤千絵弁護士に聞きました。熟年離婚の相談件数は増えていて、子育てが落ち着いた女性からの相談が増えているということです」 「その大きな背景の1つは、女性の社会進出です。40代以降も収入基盤のある女性が増え、離婚後に困窮することがなくなってきたといいます」 「そして、モラハラなどへの認識の高まりもあります。我慢するのが当たり前だと思われていた嫌がらせなどについても、『これはモラハラなんだ』『我慢しなくてもいいんだ』と世の中が気づいてきたことが挙げられるといいます」 「特に大きな背景は高齢化です。仕事をリタイヤしてからの夫婦で暮らす時間が延びたため、将来への希望を感じられない人が増えたそうです」 「中には、『相手の介護が想像できない』という理由もあり、年を取ってくると親だけではなく相手の介護も視野に入ってくるわけなので、そこまでしてあげたくないという気持ちに気づいて、離婚を検討する人もいるのだそうです」 桐谷美玲キャスター 「実際に女性の社会進出はすごく増え、当たり前になってきています。離婚をポジティブに捉えれば、子育てが落ち着いて自由に生きられる1つの選択肢という考え方もあるのかなと思いますね」