今年の現役ドラフト、大ブレークするのはだれだ 「ブルペンでエース級の投手」「コンタクト能力高い打者」…
■新庄監督の助言でフォーム改造した鈴木健矢 広島が日本ハムから獲得した鈴木健矢も戦力になりそうだ。22年に新庄剛志監督の助言でサイドスローからアンダースローに投球フォームを改造して、安定感が格段に良くなった。昨季は24試合登板で6勝4敗1ホールド、防御率2.63。今季は8試合登板で1勝2敗1ホールド、防御率2.74と、登板機会を減らしたが、投球内容は決して悪くない。 在京球団のスコアラーは「鈴木が現役ドラフトの対象となったことに、正直驚きました。ただ日本ハムの投手陣を見ると、鈴木が便利屋のような起用法になってしまう。彼の今後の野球人生を考えて登板機会が多い他球団に送り出したのかもしれません。対左打者がポイントになりますが、打たせて取るタイプなので内外野の守備が強固な広島に合う投手だと思います。DeNAのアンダースロー右腕・中川颯がリリーフに回って素質を開花させたように、救援で起用したほうが力を発揮できるのでは。広島はいい投手を獲得しましたよ」と警戒を強める。 現役ドラフトでは、元の球団でほとんど1軍実績がない選手が、移籍によって覚醒する例がある。今年の選手たちのなかで、多くの球団関係者が「大化けする可能性が高い」と口をそろえたのが、日本ハムがソフトバンクから獲得した吉田賢吾だ。プロ2年目の今季は10試合出場で打率.192、0本塁打、2打点と1軍実績はほとんどない。ソフトバンクはレギュラーの野手陣がほぼ固定され、なかなかチャンスが巡って来なかったが、吉田はウエスタンリーグでは昨年、今年と2年連続打率3割をマークしている。 「コンタクト能力が高く、逆方向にも安打を打つ技術を持っているのでアベレージを残せる。ソフトバンクでチームメートだった水谷瞬が日本ハムでブレークした姿を見ているので、モチベーションが高いでしょう。本職は捕手、一塁ですが、新庄剛志監督は積極的にコンバートを敢行するので、新たなポジションに挑戦させる可能性があります。来年レギュラーをつかんでも不思議ではないですし、それだけの能力を秘めた選手です」(パ・リーグ球団の編成担当)