今年の現役ドラフト、大ブレークするのはだれだ 「ブルペンでエース級の投手」「コンタクト能力高い打者」…
3回目となる現役ドラフトが12月9日に開催された。2022年オフに開催された1回目では、阪神がソフトバンクから獲得した大竹耕太郎、中日がDeNAから獲得した細川成也が翌シーズンに大ブレーク。昨年の2回目では、ソフトバンクで1軍出場機会がなかった水谷瞬が日本ハムに移籍して覚醒し、今年の交流戦のMVPを獲得。ロッテからDeNAに移籍して再起を図った佐々木千隼は、リリーバーとして今年のクライマックスシリーズや日本シリーズでも登板。チームの日本一に貢献した。 【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら 今年は投手9人、野手4人の新天地への移籍が決まったが、野球人生を変えることができるだろうか。 ■即戦力ならヤクルトの矢崎拓也 即戦力の観点で言えば、ヤクルトが広島から獲得した矢崎拓也が筆頭候補だろう。2022年は47試合登板で2勝0敗1セーブ17ホールド、防御率1.82をマーク。昨年は不調の栗原良吏に代わって守護神を務めるなど54試合登板で4勝2敗24セーブ10ホールド、防御率2.81と奮闘した。今年は26試合登板で1勝1敗10ホールド、防御率3.60と成績を落としたが、セットアッパーで十分に活躍が期待できる。 DeNAが阪神から獲得した浜地真澄も期待値が高い。22年は52試合登板で1勝3敗21ホールド、防御率1.14。今年は18試合登板にとどまったが、防御率2.11をマークした。 スポーツ紙記者は「阪神のブルペン陣は層が厚いのでなかなかチャンスが巡って来なかったが、DeNAは中継ぎが手薄なのでチャンスは十分にあると思います。直球に力強さを取り戻し、落ちる球を習得すればさらに良くなる。26歳と若いですしね。優しい性格ですけど、怖いもの知らずで勢いよく投げ込んでいた22年の姿を取り戻してほしい」と新天地での活躍に期待を込める。 阪神が巨人から獲得した畠世周も注目される。ドラフト2位で入団し、かつては「菅野智之からエースの座を引き継ぐ右腕」と評されるほどの逸材だったが、度重なる故障で力を発揮できていない。21年に主に救援で4勝3敗1セーブ11ホールド、防御率3.07をマークしたが、昨年3月に右肘のクリーニング手術を受けてからの2年間は1試合登板のみで、ファーム暮らしが長かった。巨人の球団関係者はこう証言する。 「ブルペンで投げ込む球はエース級の投手たちと引けを取りません。殻を破れるかは、精神面がポイントになります。自分の能力を信じて投げ込めばそう簡単に連打を浴びない。甲子園の大声援を力に変えられるか。先発、中継ぎどちらもできるので起用法が気になりますね」