信頼していた知人が、実は詐欺師だった...身近に潜む「搾取ビジネス」の罠
たとえ知り合いだったとしても、もしかしたら、あなたを搾取する目的で近づいてきているかもしれません。行政書士の服部真和氏は、「搾取ビジネスとの出会いは、身近な人の紹介や所属するサークルであることがある」と語ります。周囲に存在する「搾取ビジネス」の罠について、書籍『できる社長のお金の守り方』より解説します。 「管理職の罰ゲーム化」が加速する日本の職場...その原因とは? ※本稿は、服部真和著『できる社長のお金の守り方』(秀和システム)より、内容を一部抜粋・編集したものです
そいつはフレネミー? 人間関係はあなたを救わない
何かの商材を検討している段階で、その商材のよい点だけでなく、悪い点や利用上の注意、リスクや例外など、悪い点の詳細を伝えてくれる人には誠実な印象を受けます。逆に、メリットばかりを極端に強調する人は、危険性が高いでしょう。 この場では、多くの方が「そんなの当たり前だろう」と思われたかもしれません。しかし、実際には多くの人が、残念ながら「デメリットも踏まえて誠実な説明をする人」よりも「極端なメリットばかりを強調する人」をありがたいと考えがちです。それは、自分にとってのデメリットやリスクの存在を、認めたくないからです。 認知心理学や社会心理学の分野で「確証バイアス」という言葉があります。人は「自分にとって都合のよい情報ばかりを集めたがる(耳に入れたがる)」傾向にあるのです。その結果、自分の目的や希望を肯定してくれる情報・材料のみを信じ込み、無意識のうちに合理的でない決断をしてしまいます。 もっとシンプルに言えば、人は「信じたいものだけを信じる」のです。 これを、反対に考えてみてください。搾取目的の輩が、確証バイアスのことをよく知り、悪用していたとしたら......。手放しで信頼して、自らの重要事項に関わることを決断してはいけません。 意外と、搾取ビジネスとの出会いは、身近な人の紹介や所属するサークル、コミュニティであることがあります。こういう人は「フレネミー」の可能性が高いです。 フレネミーの語源は、フレンド(友人)+エネミー(敵)。つまり友人のふりをした敵です。なかには、無意識のうちにフレネミー化している人もいるので、見抜くのは難しいかもしれません。ですので、いったん冷静になって、警戒心を持つ必要があります。 「決断は遅く」です。 必ず、提供者のバックボーンを知り、相場を知り、論理の飛躍や矛盾がないか考える習慣をつけてください。それがたとえ「仲のよい人であったとしても」です。フレネミーかもしれません。 大切な人からの紹介だったとしても、人間関係があなたを救うことはないのです。むしろ、搾取ビジネスは群れて行動するものです。自分が信頼するコミュニティ、グループが、気づけばシロアリの巣(コロニー)となっている可能性だってあるのですから......。