プロのダウンスウィングの「タメ」はなぜできる!? アマチュアとの違いは?【ゴルフメカニクス研究所 #13】
ゴルフに関する様々な理論に精通するインストラクター・大庭可南太がプロなら必ずできているダウンスウィングの「タメ」について、なぜアマチュアはそれができないのかと、改善するためのドリルについて紹介する。
こんにちは。ゴルフインストラクターの大庭可南太です。さてPGAツアーではLIVゴルフの高額賞金大会に対抗して今年からシグネチャーイベントというものが導入され、ランキング上位選手がそちらの大会への出場を優先する結果、一般大会ではこれまで無名だった選手にもスポットライトが当たるようになってきました。 そうした選手のスウィングを見ていると、本当に「100人いれば100のスウィングがある」というくらい、スウィングは人それぞれだと感じるわけです。そのいっぽう、アマチュアには難しくてもプロならば必ず共通してできている動作があります。その代表例がダウンスウィングのいわゆる「タメ」ではないでしょうか。今回の記事ではなぜアマチュアが「タメ」を作れないのかと、その改善ドリルについて紹介したいと思います。
「タメ」の反対語=「アーリーリリース」
個々のプレーヤーでスウィングの外見は違っても必ずプロならばできているこのダウンスウィングの「タメ」です。アマチュアの場合は早期に左腕とクラブシャフトの角度が広がってしまう「アーリーリリース」になりがちです。そもそもこの「タメ」があることでどのような効果が期待できるのでしょうか。 ダウンスウィング時に両腕とクラブシャフトが角度(およそ90°くらい)を保った状態になっていると、角運動(円運動)をしている物体(クラブヘッド)の半径が最小になるため、少ない力で運動を行うことができる、つまり両手を速く下ろすことができ、ついでインパクト直前に両手が減速してクラブヘッドがリリースされることで両手のエネルギーがクラブヘッドに伝達されるため、クラブヘッドの速度が最大化できるので飛距離が伸びる……と説明をしてみると思ったより小難しいのですが、早い話が「タメ」をつくるとヘッドスピードを最大化できるということです。