プロのダウンスウィングの「タメ」はなぜできる!? アマチュアとの違いは?【ゴルフメカニクス研究所 #13】
なぜアマチュアはできないのか?
プロが共通して行っている動作であれば、おそらくはやったほうがいいはずのこの「タメ」ですが、なぜアマチュアの多くはうまくできないのでしょうか。プロのスウィングで何が起きているかをもう少し詳しくみてみます。 画像Bのザラトリス選手のダウンスウィングを見ていると、切り返しからクラブシャフトが地面と平行になるハーフウェイダウンの位置まではしっかりと「タメ」が維持され、インパクト付近ではそれがリリースされてボールに届いてインパクトを迎えます。 問題は、写真B(中央)のハーフウェイダウンから、写真B(右)のインパクトまでどのくらいの時間があるかということです。ぱっと見クラブヘッドは1メートルほどは動いているように見えますが、プロのヘッドスピードは50m/sを超えているはずですから、単純計算で0.02秒未満になると思われます。このわずかな時間にリリースを行ってボールを正確にインパクトさせるって神技で、とてもアマチュアにマネできるものではないと思うわけです。 アマチュアはそのように考えて、インパクトに間に合うように早めにリリースを開始しているわけです。まさにこれが「アーリーリリース」です。
プロは自分で「リリース」していない
実はこの「リリース」はプレーヤーが自分で操作して起きているモノではありません。つまりプロでもわずか0.02秒ほどの間にリリースの量を調整して当てるということはできません。 逆にずっと「リリース」をさせない意識でクラブを下ろしていくと、ダウンスウィングの後半でクラブヘッドにかかる遠心力その他の影響でリリースが発生してしまうというのが真相です。「『リリース』をさせなかったらクラブヘッドがボールに届かないじゃないか」と思われがちですが、しっかりとダウンスウィングで地面方向にエネルギーをかければクラブは地面まで下りるのです。 アマチュアの多くは「ダフる」ミスをしますが、これはリリースを操作して地面に届かせようと考えて、結果届き過ぎになっている場合が多いです。そしてそれを緩和しようとしてインパクト直前で「伸び上がる」動作を入れたりして余計複雑になったりします。まぁそれで当たっている人も結構多いのですが。