1日ひと掴みのクルミが食欲を抑える!? 米研究で明らかに
ジャーナル誌『糖尿病、肥満、代謝(Diabetes, Obesity and Metabolism)』で発表された実験結果によると、1日にひとつかみのクルミを食べることでヘルシーじゃないものを食べたい衝動が抑えられることが判明。その内容をアメリカ版「ウィメンズヘルス」からご紹介。 【写真】タンパク質が豊富なナッツは?おすすめトップ8をリサーチ この研究では、10人の肥満の人々が2回に渡る5日間のセッションに参加するため、臨床研究センターに滞在した。実験期間中は、それぞれの参加者が何を食べていたか、科学者が正確に把握した。 1つのセッションの間では、米国糖尿病協会(ADA)の食事ガイドラインによって推奨される一人前の量である48gのクルミを含むスムージーが毎日参加者に与えられた。別の参加者は、クルミを含まない同じような味のスムージーが与えられた。 次のセッションでは、セッション1で、クルミ入りのスムージーを与えられた人は、クルミを含まないスムージーが与えられ、そして、別の参加者はその逆を与えられた。 5日後に、試験参加者に磁気共鳴映像法(MRI)を用いた状態で、ハンバーガーとデザートのようなおいしそうな食品の写真、野菜のようなヘルシーな写真、そして、花や石のようなニュートラルな写真を見てもらった。おいしそうな食品の写真を見せられた時、クルミのスムージーを飲んだ人は、衝撃と食欲を管理する脳の一部が、飲まなかった人々と比較して活発になった。 この結果から、クルミを食べることは”島皮質(インスラ)”と呼ばれる脳の一部に影響を与えると結論づけた。参加者は、クルミ入りのスムージーを飲んだ後は、クルミなしのスムージーを飲んだ時よりも、空腹を感じないと報告した。 これが意味するのは、インスラの一部への刺激は精神的なコントロールと関連しているということ。それは、食物の選択に注意を払い、おいしいけれど、ヘルシーではない食物を避けて、ヘルシーな食物を選択することができることを意味する。 しかしながら、 より多くのクルミを食べることによって、メンタルのコントロール力が増すのか、影響が持続するのかなどは、まだよく解明されていない。 クルミはオメガ-3脂肪酸(心臓に好ましい脂肪)の含有量が高いと、米国心臓協会(The American Heart Association)は指摘。しかし同時に、クルミは脂肪分もかなり高いため、米国心臓協会は一人前の摂取量は約42g程度を推奨。その量は、研究で参加者が1日に摂取したのとほぼ同量だ。 もし、甘いものやジャンクなおやつへの欲求が抑えられなくて悩んでいるなら、試しに1日ひとつかみ分のくるみを毎日の食生活に加え、食欲がどう変化するか試してみては?