「誰かにいいねと言われなくても、自分で自分をいいねと思えれば」。モデル浜島直子さんの憧れの大人像
漠然と捉えていた「大人」の年齢を超えても、思い描いていた大人像には届かないもの。自分らしく輝く理想の大人像、それに近づくために、やっておきたいことをモデルの浜島直子さんに伺いました。 【画像一覧を見る】
インプットとアウトプットを、 バランス良く楽しみたい。
「理想の大人像は、ほぼすっぴんで白シャツをザバッと着こなすクリーンな印象の人。何を着てもその人らしく、ブレない軸を持っている人はかっこいいと思います」 自然体のファッションとライフスタイルが同世代の支持を集めている浜島さん。マイスタイルを確立しているように見えますが、自身を未熟であり未知数と語ります。 「60代の素敵な先輩方を拝見していると、自分もこれから、もっと色濃くなれるんだなと楽しみです。若い頃は何も考えずに着ていた白シャツが次第にしっくりこなくなり、40代の今は遠ざかっているのですが、これからシミやシワが刻まれて、もっと自分が色濃く、自分の匂いが立ちのぼるような存在感が出てきたら、また似合う白シャツに出会える気がしています」 モデルとして客観的に自分を把握しているからこそ、その時々の自分にふさわしいものを見極める目は確か。同様に遠ざかっているデニムも、いつかまた颯爽とはけるような年の重ね方をしたいと微笑みます。 ファッションだけでなく、内面の変化や進化も俯瞰で捉え、楽しんでいる浜島さん。SNS創成期は、アクティブで素敵な投稿と自分の生活を比較して、落ち込んでしまうこともあったと意外な一面も。 「私は出不精でインドアなのですが、それを否定するのではなく、家にいる時間を豊かに楽しめばいいと思えるようになりました。編み物やギターなど好きなことを極めていくのも楽しそう。誰かにいいねと言われなくても、自分で自分をいいねと思えればいいんじゃないかな」 他者に掻き乱されることなく、凛とした根っこを持ち、インプットとアウトプットが上手にできる大人になりたい、と言葉を続けます。3冊目のエッセイを執筆中の浜島さんの目下のインプットは読書、アウトプットは文章を書くこと。 「勧められるままに辿々しく書き始めた初のエッセイ『蝶の粉』を出版したのは2020年の秋。昨年春に2冊目となる『けだま』を出版しました。元々読書は好きだったのですが、書くことの楽しさに出会ったのはエッセイに挑戦してから。今まで趣味という趣味もなかったので、新しいことに没頭できたのかもしれません。書くことは、これからもずっと続けていきたいですね」 2014年に男児を出産し、母としての顔も持つ浜島さん。 「子育ては思い通りにいかないことだらけで、何度も向いていないなと思わされました。ダメな私のところに来てくれたこの子しか、私には合わないのだと思うと、息子に人間育てをしてもらっている気がします。改めて母への敬意も感じるようになりました。今年で母親10年目。もう少し息子から手が離れたら、母と姉と女3人で友達同士のように旅をするのも目標のひとつです」