男性客「あなたは繊細すぎるんだよ」→バカにされた女性芸人の「返し」がスカッとする!
エマは自分のことを「すぐに辞める人」だとずっと思っていました。 16歳のときにフィレーネ・デパートの男性用のオーダーメイドスーツ部門に配属され、合わない仕事を辞めたときにそう思いましたし、高校生のときに、父親が、苦労して稼いだお金をポートフォリオ作成に充ててくれたのにモデルの仕事を断念したときもそうでした。そして、大学時代にボートチームをやめたときも。父親は、海軍に30年間勤めた退役軍人であり、ひとつの職場で働き続けてキャリア形成をする世代です。 辞めようと考えるたびに、エマの頭の中には、父親の声がこだまのように響きます。父親を失望させまいという気持ちひとつで、インテリアデザイン会社の初級レベルの業務を6年間続けましたが、まったく楽しめず、昇進のチャンスも限られた職場でした。 ● ようやく「天職」に巡り会えたはずが コロナ禍のバーチャル授業で疲弊する日々 2017年、結婚して学齢期の子どもを持つ40代になったエマは、特別支援教育の修士コースで学びました。卒業して間もなく、熱望した4年生の補助教員の職に就き、ようやく自分のキャリアが実を結んだことにワクワクしていました。
「教室を整頓していたときに、これまで『辞めた』すべての仕事が今の自分を形作ってきたことに気づきました。人の家のクリーニングをしていたので、床をきれいにするノウハウがわかっていますし、インテリアデザインの仕事のおかげで、部屋を整頓して、自分とゲストにとって居心地のよい空間にするコツも知っています。ベビーシッターのアルバイト経験や自分の子育てのおかげで、子どもの扱い方もわかります」 エマは、パズルのピースがしかるべき場所にはまり始めたように感じました。ところが、事態が変わったのは、気難しい年上の教師のクラスに配属されたときです。エマは、自分のやることなすことすべてが、間違っているように感じました。自分は教師に向いていないのかと悩みましたが、そのことが頭をよぎるたびに、不安に襲われました。「お前はすぐに辞める」という父親の声が聞こえるような気がするのです。 エマは異動を重ね、さまざまな学年を教えながら、自分に合った場所を探しました。そこに新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生し、仕事量が2倍になり、1週間に7日働いて、怒りいらだつ保護者たちに対応し、画面上のバーチャル授業で生徒たちをやる気にさせるために最善を尽くしました。ストレスが強すぎて、授業の後にしょっちゅう涙を流し、胃腸の問題を抱えるようになりました。