【惜しい! 無念!】 Q45、180SXにラシーン! 一代限りで終わってしまった名車たち:日産編
ティーダ(2004~2012年)
ティーダはどこか欧州車の匂いがする。もしくは世界戦略車かと思えるような、堂々たる雰囲気が感じられる。一代限りで終了した日産車をリストアップしていて、当初はティーダがそれに該当するとは思わず、車種一覧からドロップさせてしまったほどだ。 というのも、二代目、三代目ティーダは日本でこそ販売されなかったものの、海外では生産、販売されている。しかし日本国内においては、初代モデル(C11型)のみで販売を終了した。 ティーダは日本国内ではパルサーの後継車であるが、ルノーと共同開発したアライアンスBプラットフォームをベースにホイールベースを延長したものを使う。ボディは5ナンバーサイズ(全長4205×全幅1695×全高1535mm、ホイールベース2600mm)で、日本の道路事情を考慮しつつ、上級モデルに遜色ないゆとりある室内空間を実現した。 エンジンはルノーと共同開発した1.5L直4(HR15DE型/109ps)を搭載。2005年には同じく新開発の1.8L直4(MR18DE型/128ps)を追加設定。トランスミッションは4速ATまたはCVTだが、2008~2010年頃の一部グレードに6速MT車も存在した。 ルノーとのアライアンスを思うと、当時乗ってもルノー・テイストと思しき味はあった。ボディ剛性はしっかりとしており、シートもサイズが大きく柔らかく腰があり、ハンドリングも良好。二代目以降も見て乗ってみたかったクルマである。
ラシーン(1994~2000年)
1993年の東京モーターショーに参考出品した試作車が好評だったため、細部を煮詰めて1994年12月に市販化された『ラシーン』。Be-1やパオのような単発のパイクカー・シリーズと見るか、日産のレギュラーラインナップに新しい車種が加わったと見るか。つまり当企画の『一代限り』に当てはまるかどうか、だ。 嘘か誠か、筆者は二代目誕生の噂を聞いたことがある。そして6年間にわたりマイナーチェンジを実施しながら販売し続けた事実を鑑みて、この企画で紹介することにした。 ラシーンのプラットフォームはサニー(B13型系)の4WD車と共通項が多い改良型。全車ビスカスカップリングを使ったフルタイム4WDだが、本格的なクロスカントリーカーではない。 パワートレインは当初、1.5L直4(GA15DE型/105ps)のみであったが、1997年には1.8L直4(SR18DE型/125ps)、続いて2.0L直4(SR20DE型/145ps)を追加設定。組み合わされるトランスミッションは、4速ATまたは5速MTだ。 ラシーンには特別仕様車が毎年のように企画、販売され、1998年にはスポーティモデルの『フォルザ』を追加設定するなど、さまざまなモデルが発売された。生産台数は7万台オーバーだが、よほどのラシーン・マニアでないと、モデル名や装備内容を正確に把握できないだろう。今でも中古市場で超人気の『一代限りの』モデルである。
木原寛明(執筆) 平井大介(編集)