番組出演のシェフ 大阪府警かたる詐欺で600万円被害「信頼関係築けていると…」手口の一部始終
電話でATMに誘導 「スマートフォンをバッグの中で通話状態にしておくように」と指示
その後、電話先の相手が検察官を名乗る女に代わりATMに誘導されます。 この時、スマートフォンはバッグの中で通話状態にしておくように指示されたそうです。 そして菅さんは友人などから借りて集めた200万円ほどを口座に振り込みます。 その後、振り込んだ証明として利用明細票を相手に送ると、入金が確認出来たと電話で告げられます。 そして、その日の夜、「大阪府警の渡辺良」から一通のラインが…。 ◆『大阪府警の渡辺良』と名乗る男 「きょうはお疲れだと思いますのでゆっくり休んでください」 ◆オレオレ詐欺の被害者 菅恵美子さん 「(大阪府警の渡辺良が)お金も必ず返ってくるし、本件が終わったら書類を全部持って大分まで説明に行かなければいけないと、その時に(金を貸してくれた) 友人にもちゃんと説明はするし、あなたたちの仲に亀裂が入るようなことはありませんのでと言われた」
「信頼関係が築けているって思い込んでしまっていた」「細かい情報を出して啓発を」
菅さんは翌日以降も指示に従い、あわせて600万円を指定された口座に。これで身の潔白が証明出来ると思ったそうですが、その後、「大阪府警の渡辺良」を名乗る男と連絡が取れなくなり実際に大阪府警に電話をしたことで詐欺に気付いたということです。 振り込んだおよそ600万円は戻って来ていません。 菅さんは詐欺の手口があまりにも巧妙で、気付きにくいことをもっと啓発していく必要があると話しています。 ◆オレオレ詐欺の被害者 菅恵美子さん 「(大阪府警の渡辺良と)信頼関係が築けているって思い込んでしまっていた。すごく巧妙なんだよということをもっと知らせないと(単純な)オレオレ詐欺だったら絶対に分かる。でももっと巧妙なところになったら騙される人が増えてしまう。なるべく細かいところまで情報を出すべきだと思う」
【解説】家族や愛犬の話で「好青年」を感じさせるような語り口で近づく男
今回のオレオレ詐欺、登場人物は3人です。 「NTTドコモの男」、「大阪府警の渡辺良」そして「検察官の女」です。 まず「NTTドコモの男」が「+」から始まる国際電話を使って「犯罪に巻き込まれている可能性」を伝えます。 そして「大阪府警の渡辺良」が菅さんを事件の容疑者として疑い、SNSでのやりとりを要求。事件解決のため保釈保証金の支払いを求めてきます。 最後に「検察官の女」が電話で金の支払いを催促し振り込むまでの流れを指示するという流れです。 菅さんは途中まで詐欺かもしれないと疑っていたわけですよね?なのになぜ被害にあってしまったのでしょうか。 「大阪府警の渡辺良」について菅さんは好青年のように感じていたということです。 始めは口調を荒げて恐怖心をあおって来たそうですが、通用しないと分かると家族や友人、愛犬などの話を持ち出して親近感が沸くように近づいてきたそうです。 さらにこちらをご覧ください。通帳と、キャッシュカードです。実は菅さんの名前が書いてあります。もちろん偽物ですが、事件の関係先から見つかったと言って話を信じさせようとしてきたそうです。 では、私たちはどうやって詐欺に気づくべきなのでしょう。警察によりますと、ポイントは大きく3つ。「SNSでのやりとりを要求」「電話でお金を要求する」「誰にも相談させない環境を作る」です。 本物の警察官はこのような話を持ちかけることは絶対に無いということです。 県警は「年末年始で家族が集まるこの時期に改めて詐欺への注意を呼び掛けてほしい」と話しています。
テレビ大分