“幻の高級食材”ブランド化への道!「三崎の赤ウニ」日本一を目指す現役海士の挑戦
海士 阿部和馬さん: 「より大きいのを獲るようになったって言うより、小さいのを獲らないようにした。資源を残すために、まだ成長著しい時期のものを獲らずに、1年2年待って、資源を残そうという風にやって。もちろん獲れる量は減りますけど、その分いい物を獲って、いい加工品作って単価でカバー出来るならいうので、みんなで納得して」
“最高の状態”で届けるためのこだわり
続いてのポイントは、「加工」。鮮度を保つため、水揚げされたその日のうちに身を取り出します。その時使うのが、この道具。 尾﨑さん: 「きれいに(殻を)割らないと割った時点で身が割れる。刃を入れる場所も考えてもらってきれいにスパッと真っ二つに割ってもらっている」 一気に殻を割ることで身が傷つかず、廃棄部分が減少。貴重な赤ウニを無駄なく利用することが可能になりました。取り出した身から不要な部分を取り除く作業も欠かせない工程です。
尾﨑さん: 「この作業はどれだけ時間をかけてもいいから丁寧にやってもらっている。1粒が700円800円するものなので、本当に一粒一粒丁寧に取ってもらっている」 これで完成!かと思いきや、尾﨑さんのこだわりにはまだ続きが…
尾﨑さん: 「人工海水です。オゾン水に、食塩を混ぜたもの。消費者の方たちに最高の状態で届けたい」 阿部さん: 「これがいな!がいなでこれ!」
商品名は、南予の方言で「大きい」や「すごい」を表す“がいな”に決定!これまでの2倍近い、80グラム1万円で販売します! 尾﨑さん: 「大きくても、赤ウニ本来の上品な甘味と滑らかな食感が残ったままの製品になるので、唯一無二のうちだけしか出せない赤ウニが提供できる」 商品へのこだわりと強気の価格設定。そこにはこの30年で7割減ったという海士の担い手不足解消と、収入の向上、そして三崎への思いが込められています。 「それだけ減ってきた中で、水揚げ量の減少に伴う収入の減少を、ブランド化でどうにか単価を上げて少しだけでも補えたら」