米中古住宅販売は予想より減少、10カ月ぶり低調-値ごろ感乏しく
(ブルームバーグ): 米中古住宅販売件数は8月に減少し、10カ月ぶりの低水準となった。物件の値ごろ感を得にくい状況が続き、販売に影響が及んだ。
住宅業界は米国の利下げサイクルが需要を回復させることに期待している。統計発表元である全米不動産業者協会(NAR)は、特に住宅を初めて購入する人たちにとって住宅ローン金利の低下は歓迎されると指摘する。8月の販売に占めるこうした一次取得者の割合は26%と、過去最低に並んだ。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「8月も住宅販売は失望を誘うものとなったが、最近のローン金利低下と在庫の増加は力強い組み合わせで、今後数カ月に販売が増える環境を整えるだろう」と発表文で指摘した。
全米抵当貸付銀行協会(MBA)によると、住宅ローン金利は先週、2022年9月以来の低水準となり、ローン申請や借り換えの動きが活発になった。
米住宅ローン金利が大幅低下、2年ぶり低水準-FOMCの利下げ期待
8月の中古住宅販売在庫は前月比0.7%増の135万戸と、8カ月連続で増加した。20年10月以来の高水準だが、新型コロナ禍前の5年間平均である190万戸は大きく下回っている。現在の販売ペースで見た場合、在庫消化に要する期間は4.2カ月。
販売価格の中央値は前年同月比3.1%上昇し、41万6700ドル(約5960万円)。NARのデータによれば8月としては過去最高となった。
8月に販売された住宅のうち60%は、売りに出されてから1カ月未満で買い手が決まった。7月は62%だった。販売価格が提示価格を上回ったのは販売件数全体の20%。7月は24%だった。
地域別では4地域のうち3地域で減少。南部で3.9%減少した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Existing-Home Sales Slide to Lowest Level Since October(抜粋)
--取材協力:Chris Middleton、Cecile Daurat.
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Michael Sasso