【中国】半固体電池の出荷量、加速度的に増加へ
調査会社の高工産業研究院(GGII)によると、中国の半固体電池(正極と負極の間に電気を通す電解質を従来の液体からゲル状、粘土状などにした電池)の出荷量は2024年に7ギガワット時となる見通しだ。今後は加速度的に出荷量が増えるとみている。上海証券報(電子版)が伝えた。 半固体電池の出荷量は30年に65ギガワット時を超え、35年には300ギガワット時に到達すると見通した。一方、全固体電池(電解質を固体に切り替えた電池)の出荷量は28年に1ギガワット時と予測した。 電池メーカーの北京衛藍新能源科技の研究開発(R&D)部門総経理、徐航宇氏は、全固体電池の量産が当面進まないとみて、「向こう数年は半固体電池が固体電池市場の主流になる」との見方を示した。 GGIIによると、全固体と半固体を含む固体電池を手がける国内企業は200社余りで、このうち実際に出荷したのは20社足らず。中でも固体電解質の製品を市場投入したのは10社に届かない状態という。 直近4年のうちに企業から発表された固体電池の投資計画は2,000億元(約4兆2,500億円)以上で、年産能力は計約400ギガワット時。ただ実際は計画が進んでおらず、24年末時点の中国の年産能力は15~20ギガワット時となり、1.5ギガワット時以上の年産能力を持つ企業は数社にとどまるという。 固体電池の性能は従来型電池より優れているが、価格の高さなどがネックで、搭載を検討する自動車メーカーはいまだ少ないとされる。中国自動車動力電池産業イノベーション聯盟(ABIA)によると、24年1~6月を対象とした中国の半固体電池の自動車実装量は約2,155メガワット時。