日本製鉄、年内のUSスチール買収に自信 「選挙終わり冷静に議論できる環境に」
日本製鉄の森高弘副会長兼副社長は11月7日、同社によるUSスチール買収に反対するドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことに関して「違う大きな判断がない限り、現政権が年末までにクロージング(承認)すると思っている」と述べ、当局から年内に承認が得られ、買収が決定することに自信を示した。 次期大統領に決定したトランプ氏は大統領選の遊説活動で、日鉄のUSスチール買収を全米鉄鋼労働組合(USW)が強く反対していることを受けて「絶対に阻止する」と明言してきた。 日鉄のUSスチール買収手続きは、すでに株主総会での賛同を得ており、残すは経済安全保障上の懸念を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)と、米独禁法当局の承認だけとなっている。CFIUSの審査は9月23日までだったが、審査期限を大統領選後に延長した。 森副会長は「審査は期限があり、足元では粛々と進んでいると聞いている。期限までに結論を出さないといけない」とした上で、「選挙も終わって(政治的に問題がないことを)冷静に議論できる環境になった」と述べ、年内に当局から承認を得られるとの見方を示した。 日鉄は米独禁法当局からの承認を得るため、USスチールを買収することを前提に、自動車向け鋼板などを製造するアルセロールミタルとの米国合弁事業から撤退することを決定している。