「Moto2クラスが好きです」小椋藍、念願のロードレース初戴冠で4年過ごしたMoto2を卒業してアプリリアへ
2024シーズン、MT Helmets – MSIよりロードレース世界選手権のMoto2クラスに参戦した小椋藍がチャンピオンを獲得した。日本人のタイトル獲得は2009年の青山博一氏(250ccクラス)以来15年ぶりであった。 【写真】小椋藍(トラックハウス・レーシング)のピット/2025MotoGPバルセロナ公式テスト 実は小椋は、ロードレースにステップアップしてから『チャンピオン』というものを獲ったことがなかった。アジア・タレント・カップではランキング2位、レッドブル・ルーキーズ・カップでは5位、CEV Moto3 ジュニア世界選手権も5位、そしてMoto3では3位といずれも好成績を残してはいるものの、チャンピオンにはなれずにいた。 「自分はタイトルというものがずっと欲しかったんです。先のこととかは全く関係なくて、自分はただタイトルだけが欲しかったので、獲れるまでMoto2に残ったのは正解だったと思います。言ってしまえば、それが1番大きな目標だったんです。すがりついてよかった」と小椋。 「Moto2は難しかったです。多分、去年にこういう結果が獲れていれば気持ちよかったと思うんですよ。全カテゴリー2年ずつやってきました。今まで4年間もいたクラスはないんです。自分がそのカテゴリーに見切りをつける、納得できるっていうのに倍の年数がかかったということなので、それだけ難しかったのかなと思うところはあります」 「でも、個人的にはMoto2クラスが好きです。本当にライダー次第だと思うので。MotoGPより『組織』という感じがしなくて、こじんまりしたチームで、自分のスタッフ4人ぐらいと頑張る感じじゃないですか。そういうのが好きなんだと思います」 チャンピオンを獲得し、2025年は満を持してMotoGPに昇格する小椋。アプリリアのサテライトチームであるトラックハウス・レーシングでルーキーイヤーを迎えるが、世界選手権に上がる前から組んでいたクルーチーフのノーマン・ランク氏とは袂を分つこととなる。 「ノーマンとは2017から8年間一緒にやりましたが、レースが終わってもあまり感傷的にはなっていません。会わなくなるわけじゃないですから。もちろんいないのは寂しいですし、来年も一緒にできる可能性があったら自分は彼を選びましたけど、そうではなかったので。残念ですけど、そういうものですからね」 「でもなんとなく、多分いつかまた一緒にやる感じは……多分彼も感じていて、僕もそうしたいなと思っているので。それができれば1番いいかなと思います」 最終戦を終えた翌月曜日にはトラックハウス・レーシングのピットに入り、火曜日にはMotoGP公式テストが行われる。小椋藍のMotoGP初ライドに注目だ。 [オートスポーツweb 2024年11月19日]