「ゼロから始まるEV生活」には、「大好きなHonda車たち」へのオマージュが満載だった!【Honda 0 Tech Meeting 2024 レポート① 総論編】
インターナビの血統!?さらに深まっていくクルマとの関係性
コンパクトカーやミニバンづくりの中でホンダがかねてからこだわり抜いてきたM・M思想ですが、もちろんEVに適用するに当たってはICEとはまた違ったアプローチが必要になります。 たとえば電気モーターと制御系などを一体化したeアクスルを、小型化することで横置き搭載を可能としたり、バッテリーを生産技術から見直すことで薄型するとともに搭載を高効率化するなど、パッケージングに関する改善には「EVならでは」の創意工夫が追求されています。 「しなり」という発想を取り入れたボディ剛性の最適化をはじめ、操縦安定性やダイナミック性能の向上という面でも、ホンダならではのこだわりが感じられます。ホンダスポーツの代名詞とも言える軽さや低重心というファクターに、新しい解釈が加えられましたと言えるでしょう。 ステアリングのバイワイヤ化とeアクスルの組み合わせで実現される操縦安定性の進化などは、まさにEVだからこそ可能になる「新時代のダイナミック性能」実現につながるはずです。 それらは単に動的性能を引き上げるだけでなく、効率を高めることに貢献するといいます。空力特性の制御やサーマルコントロールなども含め、総合的なエネルギーマネジメントを突き詰めることで航続距離が延びると同時に、快適性を向上させることも可能になりそうです。 最新のデジタル技術を通じてユーザーが新たな体験を楽しむことができる「デジタルUX」に関しては、よりシンプルな操作ロジックや先読みによってさらに手厚い「おもてなし」を目指して、人とクルマが寄り添って成長することに主眼が置かれています。 ユーザーデータの活用による「知見」の蓄積と、そこから生まれた「果実」をOTA(通信)で配信、インフォテインメントやナビゲーションシステム使い勝手に至るまで「逐次改良」していくといいます。日々、使いやすくなっていく愛車に対する愛着もまた日々、更新されることになりそうです。 そういえば、クルマとユーザーの濃密な接点という意味では、ホンダには「インターナビ」という長きに渡って育まれてきた「強み」があります。独自のテレマティクスを中心とした交通情報サービスは、まさにホンダならではのユーザーベネフィット。「デジタルUX」と呼び方こそモダンになりましたが、本質としてのサービス精神は一貫しているのです。