浦和の記録づくめのシーズンを牽引。WEリーグの“赤い稲妻”清家貴子の飛躍の源「スピードに技術を上乗せできた」
スタッツで軒並み上位に。最も記憶に残ったゴールは?
――スタッツではシュート数、枠内シュート率、キーパス、ゴール期待値もリーグ1位で、アシストランキングは塩越柚歩選手に次ぐ2位でした。クロスの精度の高さが光りましたが、どんなことを意識していたんですか? 清家:アシストも1位を目指していたので悔しいんですけどね(笑)。以前、サイドバックをやっていた時からクロスでアシストすることは好きでしたし、前期は菅澤選手をターゲットにして入れていて、後半戦は、意外にも思われるかもしれませんが、逆サイドの伊藤美紀選手の頭をターゲットにしていて、それが形になったゴールも多かったので良かったです。 ――たしかに、伊藤選手は長身ではないですが、ヘディングでぴたりと合わせるシーンが多かったですね。得点後の力強いガッツポーズが毎回印象的でしたが、ゴールパフォーマンスは意識していたんですか? 清家:ありがとうございます(笑)。でも、「ガッツポーズをやろう」とか「これをやりたい」ということは全然意識したことがなくて、いつも感情をストレートに表現していました。 ――20ゴールを振り返ると、ロングシュートやオーバーヘッド、反転シュートなどバリエーションも多かったですが、一番記憶に残っているゴールはどれですか? 清家:後期の大宮戦(15節、4-0)で決めたゴールです。マッチアップした左サイドバックの鮫島彩選手は経験もありますし、本当に技術が高くて、対峙していてどうしたら勝てるか考えながらプレーしていました。最初にマッチアップしたシーンではサメさんに追いつかれてしまって、シュートが打てなかったんですが、その次のシーンでは守備の出方を予測して、逆にトラップしてサメさんを背負いながら反転して決めることができました。予測しながら判断を変えられた部分や、練習してきた形やタイミングで打つ技術の部分など、自分の成長を形にできたゴールだったと思うので、記憶に残っています。