浦和の記録づくめのシーズンを牽引。WEリーグの“赤い稲妻”清家貴子の飛躍の源「スピードに技術を上乗せできた」
ターニングポイントと成長の源「人としても尊敬できる二人」
――以前、2019年に森栄次前監督時にFWから右サイドバックにコンバートされたことをターニングポイントの一つとして挙げていましたが、今季のターニングポイントについてはいかがですか? 清家:森監督と出会えたことは自分のサッカー人生において、本当に大きなターニングポイントでした。サッカーに対する概念が変わって、森さんとサッカーをした3、4年で自分の技術、「止める、蹴る」などの技術面がかなり向上し、使える技術が増えて、プレーの選択肢も広がりました。今年は梢さんと光さんが途中でいなくなってしまったことによって「やるしかない」という気持ちになって、自分のゴールに向かうプレーが研ぎ澄まされたと思います。 ――安藤選手と猶本選手が離脱して以降、チーム全体から「二人のために戦う」という意気込みが感じられました。清家選手は同じ筑波大学の後輩でもありますが、改めて二人から受けた影響を教えてください。 清家:梢さんも光さんも、サッカーに対して真っ直ぐでストイックですし、人としても選手としても尊敬できる二人の背中を近くで見ながら成長できたことは本当に幸運だったと思います。梢さんは長年ドイツで戦って、代表でも世界で戦った経験がある中で、要所で技術の大切なポイントを教えてくれましたし、光さんは今シーズン、ケガをしてからも毎試合の後に「プレーのこんなところが良かった」「もっとこうした方がいいんじゃない?」などとメッセージを送ってきてくれました。2人のお陰で成長できた部分が大きいので、感謝してもしきれないです。 ――清家選手自身は3度の前十字靭帯のケガから復活して、コンスタントに活躍していますが、今はケガを予防するためにどんなことを心がけているのですか? 清家:練習や試合後のリカバリーは一番大切な部分だと思いますし、自分の体の声を聞けるようになったことは大きいと思います。ちょっとでも足に張りを感じたり、様子がいつもと違うところがあったら、練習を途中で抜けてケアをしたり、無理をしたりしないように心がけています。 ――飛躍のシーズンとなりましたが、その中で自分自身のさらなる成長への伸びしろを感じたポイントはどんなことですか? 清家:特に後期は守備の部分や、ゲームを作る部分も積極的に取り組んできたのでかなり成長できた実感がありますが、海外や代表でプレーすることを考えれば、1対1で奪い切る力はもっとつけたいと思っています。