マイペースな小祝さくら連続V射程 4時間ニトリで買い物「使用期限迫っていた」商品券
<国内女子ゴルフツアー:資生堂レディース>◇第2日◇29日◇神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝2160万円)◇曇り、25・5度、東の風1・5メートル◇観衆7498人 【写真】ギャラリーの歓声の応える小祝さくら マイペースな小祝さくら(26=ニトリ)が、独特すぎる調整で通算12勝目、自身2度目の2週連続優勝を射程にとらえた。 首位と4打差の8位から出て、5バーディー、ボギーなしの67と5つ伸ばし、通算8アンダー、136。荒天のため中止となった前日28日は、練習は午前中にとどめ、午後は多くの選手がクラブを握る間に「使用期限が迫っていた」という商品券を握り締め、4時間も買い物した。ストレス発散効果で首位堀琴音と1差に迫った。 天才ぶりを発揮した1日だった。小祝は2番パー5で、4メートルのパットを決めてバーディーを先行。「パットがすごく調子良かった」と、4メートル前後のバーディーパットを次々と決めた。「ぼちぼち」というショットも、9番パー4で第2打を1メートルにピタリとつけて伸ばした。最後までボギーなしでストレスなしのラウンド。その裏には会場と同じ横浜市の、みなとみらいでのストレス発散の買い物があった。今は技術面の向上よりも、精神面のリフレッシュが必要と見抜くことこそ、天性の才能だ。 中止となった前日は午前に練習し、午後は所属するニトリで家具や家電、他にも私服を購入した。買い物は実に4時間。なぜ、試合中のこのタイミングに-。理由は「使用期限が迫っていたので」と、7月10日までしか使えないニトリの商品券の存在だった。「ちょうど昨日、時間ができたので。家で必要なものが多くて7万円ぐらい買った」。数カ月前から日に日に迫る使用期限の恐怖から解放され、のびのびプレーした。 多くの選手がクラブを握る間に商品券を握り締め、休息に充てる間に店舗を駆け回った。米国でのメジャー出場以外、出場を続ける“鉄人”は「じっとしているのは苦手」と、休息も不要なのかもしれない。“お、ねだん以上”の調整で逆転圏内につけた。【高田文太】