日本の防犯では子どもを守り切れない!? 世界の常識で「不審者」よりも避けるべきとされている“場所”とは
犯罪者と子どもを対峙させるのはハイリスク!「遭遇しないためにどうするか」を考える
また、残り2割の突然襲われた場合でも、走ったり叫んだりすることはむずかしいのが現状です。なぜならば、恐怖を感じると人は体が固まってしまうからです。実際に、小学2年生の女の子が刃物を持った男から逃げようとしたところ、足がもつれて転んでしまい、その結果刺された、という事件がありました。 私は小学校へ赴いて話をすることも多いんですが、高学年の男の子で「僕なら犯人を蹴って逃げる」「僕も手を振りほどいて逃げられるよ」なんて言う子もいるんですけど、実際に手を掴んで「振りほどいてごらん」と言うと、もちろんびくともしないんです。警察の防犯教室では、警察官が子どもに負けるシナリオなので、それを真に受けていたのでしょう。 そして大人に連れ去られそうになったとき、子どもが抵抗するのはとても危険なことでもあります。犯人は、子どもは抵抗しないと思っているので、抵抗されるとパニックになり、凶悪化する可能性があるのです。 子どもと犯罪者が対峙してしまったら、圧倒的に子どもが不利。なので、犯罪者に遭遇しないためのリスク・マネジメントが必要です。
子どもはなぜだまされるのか。「不審者に気をつけて」の盲点とは
子どもがなぜ簡単にだまされてしまうかというと、それは「人」に注目させているからです。悪い人かどうかを見分けるのは大人でもむずかしいですよね。 では、何に注目させればよいのか。 答えは「景色」です。人は嘘をつきますが、景色は嘘をつきません。 交通安全を教えるときは「横断歩道のないところを渡ってはいけません」や「この角は運転手から見えにくいから気をつけて」といったように、景色に注目させていますよね。けっして「あやしいドライバーに気をつけて」と、人に注目させてはいません。 なので、同じように「危険な景色」に注目させればよいのです。 長年の研究によって、犯罪が起きやすい場所には共通点があることがわかっています。それは、 ・入りやすい場所 ・見えにくい場所 の2つです。