半導体ラピダス この春いよいよ始動 大きな期待 変わる千歳の街 不動産は?商業施設は?
HTB北海道ニュース
特集です。この春、いよいよ千歳のラピダスでは次世代半導体の試作品の製造が始まります。 国をあげてのプロジェクト、ラピダスの進出にともない、千歳市では様々な変化が見えてきています。 ラピダス小池淳義・社長「半導体を使うことによって生活がより充実してですね、しかも生きがいのあるものになるという半導体を作るっていうことが我々の大きなミッション」 千歳市で、回路の線の幅が2ナノメートル以下、世界最先端の半導体の量産を目指すラピダス。4月の試作品の製造開始に向けて、準備は着々と進んでいます。 工場には先月、半導体の製造の要となるEUV露光装置がオランダから到着しました。 全長10.3m、重さは70トンもある巨大装置です。
おととし9月に建設をはじめた工場は順調に工事が進んでいて、試作品の製造に必要な施設は2月に完成予定です建物の面積は、およそ5万4000平方メートル、プレミストドームとほぼ同じ広さです。 半導体の製造だけでなく、パートナー企業や研究機関と共同で開発を行うための施設も作られています。 ラピダス小池淳義・社長「世界中のやっぱり優秀な方々がですね、こちらに来て集まっていただくのは我々の大きなゴール」 ラピダスによる道内への経済効果は2036年までの累計で18.8兆円ともいわれるビッグプロジェクト。 道内の経済界も、その動きに注目しています。 北海道電力 藤井裕会長 「北海道の産業の基盤として北海道さらには日本そして世界に貢献できるよう我々としても汗をかいてまいりたい」 北海道銀行 笹原晶博会長 「新たな産業構造に作っていく、作り変えていく大きなチャンス」 そんな千歳市ではラピダスの進出にともない変化が見られています。
本吉智彦・記者「JR千歳駅に直結する複合ビルには国内外の半導体関連の企業がオフィスを構えています」 半導体製造装置を手掛ける東京エレクトロンや、オランダのASML社など千歳には、すでに33社が進出を決定、ほかに47社もが進出を考えているといいます。 こうした企業の進出を支えるのが千歳市におととし発足した、「次世代半導体拠点推進室」です。 千歳市次世代半導体拠点推進室 森周一室長 「オフィスと倉庫が中心なので、製造業っていうのは、やはり量産開始以降、2027年度ぐらいから伸びてくるんだと思います。なかなかこうオフィス物件が少ない街なので、そこが今課題です」 市はラピダスの工場からも近いJR南千歳駅周辺に新たな工業団地を作ることを決めました。 3区画あわせておよそ45ヘクタールで事業費はおよそ100億円。 2028年度には一部の区画の利用を開始できる計画です。 千歳市の人口はおよそ9万8000人市が去年11月に発表した予測では半導体関連産業だけで15年後に、およそ7900人の人口増加を見込んでいます。