阪神・糸原健斗、今季初のスタメンで3安打1打点「久しぶりにこの超満員の甲子園で野球ができた」
(セ・リーグ、阪神4ー3ヤクルト、6回戦、阪神4勝2敗、28日、甲子園)このときが来るのを待っていた。だから、驚きも焦りもない。今季初めてコールされた「6番・三塁 いとはら」。阪神が誇る〝仕事人〟糸原健斗内野手(31)はスタメン起用に応え、華麗に快音を響かせた。 【写真】参加したイベントで寝具をチェックする糸原健斗 「準備しているんで、別にいつも通り試合に入るだけだと思っていた。代打の気持ちで1打席しかないぐらいの気持ちで打席に立って、それがいい結果につながったかなと思います」 今季26試合目で初のスタメン出場。二回無死一、三塁の第1打席から持ち味の勝負強さを発揮した。小沢の130キロフォークに食らいつき先制の中前適時打。「そこから乗っていけた部分もある」と勢いづいたバットは止まらない。四回は直球を捉えて左前打を放つと、八回は今野の148キロを逆らわず左前にはじき返した。「必死ですよ。必死にやりました」。4打数3安打1打点の内容に充実の汗を拭った。 不振の佐藤輝に代わって、三塁での先発起用。岡田監督は「昨日(27日)の(佐藤輝の)内容を見ても、いっぺん糸原でいこうというのはあった」と語った。27日は木浪に代えて遊撃手に小幡を起用し、その小幡が反撃ののろしをあげる適時打を放つなど躍動。2日連続で決断がピタリとはまった形だ。 そんな指揮官の起用に応えることができたのも、糸原の準備のたまもの。2月の春季キャンプは実績組を2軍で調整させるという岡田監督の意向もあって、プロ初の2軍・具志川スタートだった。初日から「僕が一番元気がある」と誰よりも声を出す。どんな状況下にあっても、常に前向きに、全力で野球に取り組む姿があった。 今季も代打出場が続いたがその姿勢は変わらない。出番を待ち、ひたむきに準備を続ける。だから、いざ声がかかったときに結果を残すことができる。先発・才木がピンチのときには三塁から積極的に声をかけにいき、元キャプテンとしてリーダーシップも発揮した。 「久しぶりにこの超満員の甲子園で野球ができたっていうか、守備について4打席立って、それでいい結果も出たんで、すごく良かったなと思います」
大歓声に包まれるこの瞬間のために-。これからもたゆまぬ努力で虎を勝利へと導く。(原田遼太郎)