「フリーランス」「個人事業主」「起業家」は何が違う?25年以上仕事が途切れないフリーランスが、それでも法人化に踏み切れなかったワケは……
◆社会のニーズに対応するため20年目に法人化を決意 事務作業が増える法人化をためらう一方で、私には「一度きりの人生。いつかは自分で会社を設立してみたい」という思いもありました。 転機が訪れたのは、フリーランス生活約20年生にあたる2018年のことです。 編プロ時代の同僚だった藤吉豊と、今後の仕事について話し合う中で、自分たちのライター活動に加え、ライターの育成にも本腰を入れていきたい気持ちが高まっていきました。 「文章講座を開催してほしい」という依頼も増えてきたためです。 社会から求められているサービスを、事業として本格的に提供する以上は、法人化し、しっかり取り組むべきと考え、「株式会社文道」という会社を藤吉と設立しました。 こうして、私は、フリーランスと会社役員という2つの働き方を並行して行うことになったのです。 <POINT> 法人化は費用、 労力、 覚悟が求められる。 まずは会社組織にせず実績を積もう
◆フリーランスの土台をつくるために必要な5要素 フリーランスとして自立して働くために必要なのは、 1 スキル 2 人脈(取引先を含む) 3 仲間 4 マインド 5 コミュニケーション力 の5つだと考えています。 1 スキル 仕事とは、簡潔にいえば問題解決をすることです。 ひとつでもいいからスキル(技術・能力)を身につけ、自分のスキルで誰かの問題を解決し、その対価としてギャランティー(報酬)を受け取ることができるようにしましょう。 私の場合であれば、「文章を書くのが苦手な人」あるいは「文章を書いている時間が取れない人」の問題を解決するために、文章力を使って記事を書いたり、著者になりたい人をインタビューして本にまとめるお手伝いをしています。 その対価が原稿料です。 2 人脈(取引先を含む) フリーランス協会の調査(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2024」)によると、「仕事はどのようなところから見つけますか(複数回答)」という質問に対する結果は次の通りでした。 1位 人脈 ((知人の紹介を含む)61・6% 2位 過去・現在の取引先 58・9% 3位 自分自身の広告宣伝活動(WEB・SNS・新聞・雑誌など)33・2% ネットで自分のサービスを販売したり、アフィリエイトで収入を得ている場合などは別として、フリーランスは発注してくれる取引先がなければ収入が入らないので、人脈や既存取引先との良好な関係づくりは欠かせません。 3 仲間 自分だけでバリバリやっていける人は別として、仲間は必要です。 私がフリーランスを続けることができたのは、自立しながらも「仲間」に助けてもらったからです。 4 マインド これは心構えと言い換えることもできます。 当たり前と思われるかもしれませんが、逃げ腰にならず、やるべきことをまじめに取り組む、それこそが次の仕事につながります。 5 コミュニケーション力 私の周りで長く続けているフリーランスの方々は、みなコミュニケーション力が高く、苦手意識をもっていたケースであっても、言葉の使い方などを自分なりに工夫しながら改善していっています。 相手に好印象を与える文章や言葉の使い方をぜひ身につけておきましょう。 以上5つの土台がしっかりしていれば、フリーランスとして長く活躍することができます。 フリーランスになるために、あるいは、フリーランスになってからも、常に「強固な土台づくり」を意識することが大切です。 <POINT> 「スキル」「人脈」「仲間」「マインド」「コミュニケーション力」 を構築しよう ※本稿は『女性フリーランスの働き方』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
小川真理子
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