企業・団体献金、決着は越年も 自公、第三者聴取で可否を判断
臨時国会の焦点である政治資金規正法再改正を巡り、企業・団体献金の扱いの結論が来年にずれ込む公算が大きくなっている。立憲民主党などの野党が禁止を主張する一方、自民党内は廃止への慎重論が根強く、石破茂首相(自民総裁)は3日の衆参両院本会議の代表質問で禁止に否定的な見解を重ねて示した。首相は年内の規正法再改正に意欲を示すが、企業・団体献金を除く内容の改正を先行しようとすれば野党の反発を招く可能性も高い。 自民の森山裕、公明党の西田実仁両幹事長は3日、東京都内で会談し、企業・団体献金禁止の可否に関し、有識者ら第三者に意見聴取した上で判断すべきだとの認識で一致した。自民の坂本哲志、公明の佐藤英道両国対委員長が同席した。 会談後、坂本氏は「非常に根深い問題があるので、第三者機関を立ち上げて議論していかなければならない」と記者団に説明した。 また、21日に会期末を迎える臨時国会で規正法を再改正した上で、立民などと意見が異なる企業・団体献金の扱いについては継続して議論する考えを示した。 ただ、立民は、企業・団体献金禁止を「改革の本丸」(野田佳彦代表)と位置づけており、この部分を与党が先送りしようとすれば規正法再改正の審議が滞る事態も予想される。 野党側も一枚岩ではない。国民民主党は、立民案が献金禁止対象から政治団体を除いている点を問題視しており、主要与野党の顔が立つ落としどころを見いだすのは至難の業だ。 3日の参院代表質問では、立民の辻元清美代表代行が「禁止を明言していただきたい。国民も不信を抱いている」と迫った。首相は「企業・団体献金自体が不適切とは考えていない」と答弁した上で、所信表明演説で言及した政治資金収支報告書のデータベース化によって「政治資金の透明性が飛躍的に高まる」と強調した。 衆院では、日本維新の会の前原誠司共同代表が「企業・団体献金は、日本の重要なかじ取りに関わる意思決定をゆがめている」と主張した。(永井大輔)