職員誤り車いす転倒 ショートステイの男児けが 長崎県立こども医療福祉センター
障害のある児童の治療や療育を担う長崎県立こども医療福祉センター(諫早市)で、ショートステイを利用していた男児(9)が乗った車いすを付き添いの職員が誤って転倒させ、顔面挫傷や歯が欠けるなど全治10日のけがを負わせていたことが16日、保護者や県への取材で分かった。 関係者によると男児は5日、1泊の予定で同センターの短期入所を利用。同日午前、散歩に出た際に付き添いの職員が車いすのストッパーをかけずに手を離したため傾斜を数メートル下り、溝にはまって転倒した。職員は別の利用者に対応するため目を離していたという。 連絡を受けた母親が約20分後に到着。男児は大村市の病院に搬送され8日まで入院した。頭を打ったことによる一時的な意識障害や顔面の擦り傷のほか、歯にひびも入っていた。 男児は難病指定されている重度のてんかんで、過去に受けた脳の手術の影響で半身にまひが残る。保護者は「病気のことを考えればもっと早く救急車を呼ぶなどの対応をしてほしかった。病状への影響も心配だが、しっかり再発防止策を示してほしい」と話した。 県障害福祉課は「あってはならないこと。安心して預けてもらうため再発防止策を講じていく」としている。 同センターでは昨年、障害児に対する性的・心理的な虐待があったとして、看護職員が懲戒処分を受けている。