衆院選の注目選挙区特集。今回は福岡５区を通して子育て支援を考えます。 春日市民 「ありがたい」 「助かります。子どもが定期的に通院しているので」 春日市民がこう話すのは子どもの医療費支援。しかし、他の自治体の住民からは。 大野城市民 「（春日市のように）無料だとありがたい」 筑紫野市民 「無料の方が良い。高校生の方が部活などもありけがしたりするから。うらやましい」 一体どういうことなのでしょうか？衆院選・福岡５区の対象となる自治体について子どもの医療費助成を比較すると、春日市は高校生世代の１８歳まで医療費が無料。太宰府市は中学生から通院費が一部負担となり筑紫野市、大野城市、那珂川市はそれに加え　高校生世代の助成がありません。朝倉市や東峰村など、その他の５区の地域も同様、支援には差があります。医療費負担の仕組みはこうです。県は、中学生までの医療負担額の上限を定めていて、例えば中学生が通院で１万円かかった場合、健康保険が７割（７０００円）、自己負担の３割（３０００円）のうち上限の１６００円を本人が負担し、残りの金額を県と市が半分ずつ負担します。無料にするには自治体の負担が大きくなり財政力による差が出てしまうのです。これが、住まい選びにも影響しているといいます。春日市とその周辺の物件を取り扱う不動産業者は。 オールハート不動産　小林大祐さん 「春日市に住んでいる人が例えば大野城市や那珂川市に引っ越したい物件があっても春日市にとどまってしまう。そういった現象が起こっている」 子どもの医療費支援がネックとなり住まい探しを限定する客もいるといいます。 「春日市（に住んでいる客）で子どもが小さくて体が弱かった。高校まで病院にかかる回数が多くなったら心配なので、春日市にとどまって物件を探そう」 こうした客のニーズを通してどこでも同じ支援が受けられるようになればと感じるそうです。 「春日市が旧筑紫郡（５市）で抜け駆けしているような形になっているので、そこは横一線選べるようにできたら」 地域間の格差をなくすため全国知事会が文部科学省に一律の支援制度の創設を求めるなど、全国的な問題となっています。この問題について５区の候補者たちは、全員が格差の是正が必要と訴える一方で、子育て世代の支援策や、是正のための資金の集め方などには違いが見られました。 参政・新　岡部吉高氏 Ｑ格差是正への取り組みは 「住む市町村によって医療費が変わるのは不公平。参政党は子育て世代にお金が残るような政策をしていきたい」 Ｑ具体策は 「減税。日本人全体のお金が残るように。（日本には）余った税金が１０兆円ほどある。適正な処理をすれば消費税は２パーセント減税できるという試算もある」 維新・新　松尾嘉三氏 Ｑ格差是正への取り組みは 「格差があってはならない。日本維新の会の政策にもあるように子どもたちに優しいまちづくり」 Ｑ具体策は 「無駄遣いをやっていたところ。まずは行政改革、財政改革をやってそこでできた財源を補填していきたい」 立憲・前　堤かなめ氏 Ｑ格差是正への取り組みは 「子どもの医療費や教育費など生活の基盤となるものはどこに住んでいても同じ料金で同じサービスを受けられるべき」 Ｑ具体策は 「予算をきちんと地方自治体に配分する。防衛予算倍増ではなく教育予算倍増が必要」 無所属・新　タコスキッド氏 Q格差是正への取り組みは 「医療費もそうだが学びたい子どもたちの大学院までの教育費も全部国が面倒見るべき」 Ｑ具体策は 「消費税も廃止してその分、累進性のあるお金を持っている人には持っている人なりの負担をしてもらう」 自民・新　栗原渉氏 Ｑ格差是正への取り組みは 「日本の国民であれば、等しい機会があることが大事」 Ｑ具体策は 「地方財政力をいかに強化するか。国が地方財政に対する支援の方法をこれから検討していく必要がある」