イタリア・サッカー界が「未体験の苦境」から脱するためには――【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
コロナ禍以前から存在する財務的脆弱性が大きな重荷
18―19シーズンの決算で黒字を計上したのは、ナポリ(写真)、アタランタ、ウディネーゼ、サンプドリア、サッスオーロの5クラブだけだった。(C) Getty Images
目先の結果にこだわり、予算以上のカネを補強に費やしてきたイタリアの多くのクラブは、慢性的な赤字体質にはまり込んでいる。そして財務状況はコロナ禍でさらに悪化――。この苦境から脱するために必要な術とは…。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2020年5月21日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― ある調査によれば、イタリアのサッカークラブのうち、実に75%がコロナ禍によって消滅する可能性があるという。この国で最も愛され、最も多くの競技人口を誇るスポーツであるカルチョが、深刻な危機に直面している。 新型コロナウイルス感染症は全世界的な問題であり、すべての国のあらゆるスポーツが大きな打撃を受けている。EUROや東京オリンピックですらも、1年の延期を強いられた。カルチョの世界も、その
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