スペイン代表、背番号10の系譜(5)最悪のカオス…やはり呪われている? 自滅したチームの中で
スペイン代表の背番号10は呪われているのだろうか。他国では英雄的な番号であっても、この国で「10」のユニフォームをまとった選手たちはワールドカップの大舞台でさしたる存在感を残せていない。初優勝を果たした2010年南アフリカワールドカップでさえも。そんな悲しい運命を背負った男たちの系譜を振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの。
ロシアワールドカップ
背番号10:チアゴ・アルカンタラ(バイエルン・ミュンヘン) 生年月日:1991年4月11日(当時27歳) 個人成績:2試合出場/0得点0アシスト 監督:フェルナンド・イエロ 戦績:ベスト16 大会直前、スペイン代表に激震が走った。2018年6月12日、フレン・ロペテギ監督がレアル・マドリーの次期監督に就任すると発表される。グループリーグ初戦の3日前のことだった。当然スペインサッカー連盟は自分たちに無断でマドリーと交渉して契約を結んだことに激怒し、ロペテギ監督を解任する。 後任には代表チームのテクニカルディレクターを務めていたフェルナンド・イエロが就任した。しかし、指導者としてさしたる実績を残していない新監督にはワールドカップでスペイン代表を正しい方向に導くだけの能力がなく、大会直前に進むべき道を見失ったチームは本来の力を発揮できない。 背番号10を任されていたチアゴ・アルカンタラも、満足な出場時間を与えられず不完全燃焼に終わった。ロペテギ前監督の下で主力に定着し、ワールドカップ予選突破に貢献していた27歳は、本大会のグループリーグ初戦でベンチスタートになり、第2戦は出番なし。 第3戦のモロッコ戦で初先発を飾ったが、チームを勝利に導くことはできなかった。結局、スペイン代表は勝ち点5で並んだポルトガル代表を総得点で上回ってグループ1位で決勝トーナメントに進むも、ラウンド16で開催国のロシア代表に屈した。 本来なら格下と見られていたロシア代表を相手にボール支配率では圧倒したスペイン代表だったが、1-1のまま延長戦でも決着つかずPK戦に。チアゴ・アルカンタラはベンチでその様子を見届けることになり、最後まで出番は訪れず。PK戦ではコケとイアゴ・アスパスが失敗して終戦となった。 2014年ブラジルワールドカップ出場を負傷で逃していたチアゴにとって初めてとなる世界の大舞台は、チームのゴタゴタに巻き込まれ、不本意な形で幕を閉じた。
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