<私の恩人>陣内智則、売れない悔しい日々…ジュニアのことも嫌いだった
9月14日に米ラスベガスで、英語による単独ライブを行うことを発表した陣内智則さん(40)。離婚や熱愛などプライベートでの話題が華々しく報道される一方、地道にネタ作りをしてきた集大成ともいえるステージとなりますが、舞台から逃げ出したくなる若手時代を支えてくれた人への感謝は忘れないと言葉に力を込めました。 そもそも、僕は「リミテッド」というコンビで活動を始めたんですけど、本当に評価されなかった。コンビ時代は、舞台で笑いをとった記憶がないんです。それくらい、なんともつらい時代でもありました。同期が「中川家」にケンドーコバヤシ、たむらけんじ。みんな、それぞれにすごかったですからね。「中川家」はデビュー当時から、すでに今の漫才をやってましたからね。そら、かなうわけがない。ケンコバも現在の雰囲気を持ってましたし、大喜利での強さもありました。たむけんも、実は女の子から人気ありましたしね(笑)。そんな中、僕らは何もできない。これでもかと、力の差を見せつけられる日々でした。 そのうえ、たまに僕らがネタ番組で1分だけネタをさせてもらったら、ちょうど僕らが映りだしたところで画面に台風情報が入ったり。芸人とファンの方が一緒に行くフェリーツアーがあって、追加メンバーとして「リミテッド」の参加が発表された日に大嵐が来てツアーがなくなったり…。まあ、ある意味、持ってましたけど(苦笑)。劇場でも笑いが起こるどころか、僕らが出るとお客さんが一斉に下を向くんです。というのは「『リミテッド』を見たら、不幸になる」という都市伝説まであったんで、みんな目を伏せるんですよね。そら、こちらとしたら、落ち込みますよ。 ま、本当に悔しかったのは、前説をしている、僕らより後輩の芸人が「きょう、来た方は残念でしたね。なんと、今から『リミテッド』が出ます!!」とイジってるんです。今やったら、「何言うてんねん!!」とツッコんだりもできると思うんですけど、それもできないくらい、当時は全てに縮こまっていたんですよね。そんな中、強烈に思い出に残っているのが千原ジュニアさんです。今から思うと、ジュニアさんも僕らをイジってくれてたんです。「『リミテッド』全然おもんない!!」と。ただ、もうこっちは縮こまってますから、言葉を返せない。となると、さらに「おもんない!!」と言われる。こっちはもっと縮こまる。そんな悪循環が続いてました。