ホンダの船外機、「350馬力以上も検討しラインアップを拡充する」
ホンダの船外機を手がけるマリン事業が60周年を迎えた。環境負荷が低い4ストロークエンジンで1964年に参入して以来、モデルを拡充。24年2月には最大出力となる350馬力の「BF350」を投入した。30年に向け新機種を投入するとともにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の取り組みを強化する。 【写真】ホンダが投入した最大出力となる350馬力の新機種「BF350」 「プロ用途からレジャー用途まで幅広い支持を得てきた」。二輪・パワープロダクツ事業本部パワープロダクツ事業統括部の鶴薗圭介統括部長はこう振り返る。現在2―350馬力まで計25モデルを展開し、累計生産台数は219万台(24年10月時点)。23年の世界シェアは約5%で4位に位置する。 BF350は初のV型8気筒エンジンを搭載。新設計のクランクシャフトにより高い静粛性と低振動を実現した。大馬力化が進む市場で技術を水平展開し「350馬力以上も検討しラインアップを拡充する」(鶴薗統括部長)方針だ。 全社目標の50年のカーボンニュートラル達成に向け、マリン事業でも脱炭素がテーマ。小型では電動推進機プロトタイプの実証実験を実施。電動化が困難な中大型では燃費向上とともにカーボンニュートラル燃料などの採用を検討していく。