相続税って絶対払うの?少しでも減らす方法ってあるの?相続に関するギモンを超わかりやすく解説
いつか必ずやってくる「相続」。きょうだい間でモメないためにも、読者から特に多く上がった疑問の声に、相続専門税理士の桑田さんが答えてくれました。これだけでも押さえておくと、きっと役立つはず! 【画像】相続税って絶対払うの?少しでも減らす方法ってあるの?相続に関するギモンを超わかりやすく解説
Q そもそも、相続ってどれくらいもらえるの?
A 「法定相続人」の相続の割合を知っておきましょう 法定相続人とは、遺産を相続する権利がある人のこと。「下の図の場合、法定相続人は配偶者である妻と子です。この場合の法定相続割合は、妻が半分、子は残りの半分を等分した割合となります。遺言書や話し合いで自由な分け方が可能ですが、遺留分は変わりません」。
Q もし、相続で困ったらどこに相談すべき?
A 困りごとのケースによって相談先が変わります 「相続税は税理士、モメごとは弁護士など要件によって窓口が変わります。ただ、相続は相談先の横のつながりも多く、必要に応じて紹介してもらえることも。今はオンライン化も進んでいるので、実家のある地域にこだわらず、自分が相談しやすいところに頼んでOK」。 ●家族間でモメている相続を扱えるのは弁護士だけ! ・家族仲が不仲で、相続争いが起きて困っている → 弁護士 ・家族仲は良好で、相続税や税務署からの調査が不安だ → 税理士、公認会計士 ・家族仲は良好で、各種名義変更で困っている → 司法書士、行政書士
Q うちそんなにお金ないと思うけど……、相続税って絶対、払うの?
A 課税の対象になるのは故人100人の内、約9人と少なめです(※) 相続税は下記のように基礎控除(非課税枠)があり、これを超えた部分にしかかかりません。「9割の人は対象外ですが、地価が高い地域や法定相続人が少ない場合は注意。仮に1億円の財産があり、相続人が子ども1人なら、相続税は1220万円。これを10カ月以内に納税する必要があります」。 ※国税庁「令和2年分相続税の申告実績の概要」より 無条件に与えられる3000万円と、法定相続人ひとりにつき600万円が基礎控除。課税対象となる資産がある場合、10~55%の相続税がかかる。
Q 相続税を少しでも減らす方法ってある?
A あります。簡単なのは、「生命保険」です。 「故人自身が保険料を支払った生命保険金を、相続人が受け取ると、『法定相続人の数×500万円』まで相続税が非課税になることがメリットです。高齢でも、一括払いの保険なら加入できるものが多いので、検討する価値あり」。他にも対策はいろいろあるので税理士に相談しよう! ●新制度にも注目 年110万円までは完全非課税に! 年110万円までの贈与は非課税ですが、これまでは贈与した人が亡くなった場合、死亡から7年前までの分は、相続財産としてカウントされていました(暦年贈与)。24年1月からの新制度では、この相続財産へのカウントがなくなります(精算贈与)。多くの人にとって新制度の方がお得ですが、使うには税務署に申請が必要です。